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ブラジルコンビ競演弾!柏 貫禄の初制覇

[ 2012年3月4日 06:00 ]

<ゼロックススーパー杯 柏・FC東京>富士ゼロックススーパー杯を制し喜ぶ柏イレブン

富士ゼロックススーパー杯 柏2-1FC東京

(3月3日 国立)
 3日、東京・国立競技場で行われ、昨季J1王者の柏が2―1で同天皇杯王者のFC東京を下し、初制覇を飾った。前半26分、MFジョルジ・ワグネル(33)が約30メートルの弾丸シュートを決めて先制すると同43分にはPKをMFレアンドロ・ドミンゲス(28)が決めて追加点。FC東京に1点を返されたが、粘り強い守備で振り切った。昨季優勝の立役者となったブラジル人助っ人は今季も健在。リーグ連覇に向けて収穫十分の勝利となった。

 1本のシュートがチームに活力を与えた。前半26分、パスを受け前を向いたMFジョルジ・ワグネルはピッチ中央をドリブルで持ち込み、迷わず左足を振り抜いた。ボールは放たれた矢のような勢いでゴール右のサイドネットを揺らした。「(ネルシーニョ)監督からはバイタルエリアで前を向いたらシュートに行けと言われている。悪い時間帯に決まって良かった」。この試合チーム初のシュートが先制弾となり、昨年の覇者が息を吹き返した。同43分にはPKを獲得し、MFレアンドロ・ドミンゲスが落ち着いて決め2点目を追加。反撃を1点に抑え、幸先良く1冠を手にした。

 J2優勝から一気にJ1の頂点に駆け上がった昨季から一転し、今季は受けて立つ立場となる。連覇への重圧、リーグ戦と並行して行われるACLへの挑戦。過酷なシーズンを乗り越えるため、1月30日の始動日から1日のオフも入れず、この日を迎えた。選手の疲労はピークに達しているが、昨季の戦いで取得した「巧者」ぶりは健在だ。序盤は守備が機能せず、押し込まれたが、無理には攻撃を組み立てず、相手の勢いが弱まるのを待った。DF近藤も「ボールを奪ったら無理にパスをつなぐより、一度クリアして流れを切れと監督に言われている」と説明。耐える時間は耐え、チャンスを待って勝負に出る王者らしい試合運びを発揮した。

 連覇への戦いは11日に幕を開ける。7日にはACL初戦、アウェー・ブリーラム(タイ)戦を控えているが「まだ60~70%の力。ACLも負けない」とレアンドロ・ドミンゲス。ジョルジ・ワグネルも「(途中出場した)ロボのゴールにも期待しているよ」と新戦力をPRする余裕も見せた。昨年同様、ブラジルコンビが大黒柱であることは確かだが、勝負強さを身につけた柏には王者の風格が漂っている。

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