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Jヴィレッジ“地元”から後押し、福島県内で再建へ!

[ 2011年12月11日 06:00 ]

震災前のJヴィレッジ

 東日本大震災による福島第1原発事故の影響で閉鎖されているJヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)に代わる施設を、福島県内に建設する計画があることが10日、分かった。日本サッカー協会の小倉純二会長(73)が明かしたもの。いわき市など県内の沿岸部を中心に代替地を検討しており、被災地の復興支援のためにも“地元”でトレセンの早期復活を目指す。

 Jヴィレッジの移転先は同じ福島県内だった。10日に都内で取材に応じた小倉会長は、3月11日の東日本大震災から閉鎖されている同施設について「Jヴィレッジは当面使えないので、代わりのトレーニング施設を造ろうとしている。(海岸線沿いで)茨城に近いいわきか、仙台に近い方か、場所をどちらにするか決めている」といわき市など県内の沿岸部で複数の候補地を検討していることを明らかにした。

 Jヴィレッジは日本サッカー初のナショナルトレセンとして97年に完成。日本代表の合宿が行われるなどサッカー界の“総本山”となっていたが、震災を境に状況は一変した。約20キロ離れた福島第1原発の事故のため避難指示区域となり職員は全員避難。現在は国の管理下にあり、原発事故対応の拠点となっている。早期の復旧が難しいとの判断から、代替施設の建設に動きだした。

 移転先を県外ではなく福島県内にする大きな理由は被災地の復興支援にある。小倉会長は「福島ではJヴィレッジを使っていろいろな大会をやってきた。それをやる場所がないわけだから、早く造らないと」と説明。サッカーを通じた経済効果で復興を後押ししたい考えだ。この日、小倉会長は宮城県に入り、FIFAのブラッター会長とともにFIFAの支援で修復された松島フットボールセンターを訪れた。ブラッター会長は5月にJヴィレッジの再建に向けた資金提供を約束しており、小倉会長によると、UEFAからの義援金も再建の予算に充てる見通しという。

 ▽Jヴィレッジ 東京電力が総事業費約130億円で建設し、福島県に寄贈。東京電力、日本サッカー協会、福島県などが出資した株式会社日本フットボールヴィレッジが運営する。全11面の天然芝フィールドのほか、陸上用トラックを備えた人工芝フィールド、フットサルコート、体育館、テニスコート、ジム、プール、ホテル、レストランなどを完備。日本協会が運営する中高一貫教育のサッカーエリート養成学校「JFAアカデミー福島」、なでしこリーグ「東京電力マリーゼ」の拠点にもなっていた。

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