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岡崎いきなりフル出場 豊富な運動量で奮闘

[ 2011年2月19日 06:00 ]

ベンフィカ戦の前半、競り合うシュツットガルトの岡崎(右)

欧州リーグ決勝T第1戦 シュツットガルト1―2ベンフィカ

(2月17日)
 シュツットガルトの日本代表FW岡崎慎司(24)がようやく欧州デビューを果たした。欧州リーグは17日、各地で決勝トーナメント1回戦第1戦を行った。シュツットガルトは敵地でベンフィカと対戦。移籍手続きが難航し、試合当日になって暫定的に選手登録が認められた岡崎は左MFで先発フル出場。1―2で敗れたものの、決定機をつくるなど攻守に貢献した。

 待ちに待った瞬間だった。1月30日の移籍会見から19日目で迎えた欧州デビュー戦。白星で飾ることはできなかったが、岡崎に笑顔が戻った。

 「楽しめたらいいと思ってやりました。ずっと待っていたので、しかも先発でフル出場で…。第一段階を踏めたかな」

 移籍をめぐって古巣の清水とシュツットガルトが対立。国際移籍証明書が発行されず選手登録が先送りされていた。デビュー戦となる予定だった12日のニュルンベルク戦はスタンドで観戦。「何とも言えない、変な気持ちでした。運命じゃないけど、休む時間だと逆に前向きに考えた」。

 焦る気持ちを抑えて練習に取り組んでいた岡崎に、朗報が届いたのはベンフィカ戦当日だった。試合開始約7時間前になって日本協会に、FIFAから暫定的な選手登録が可能になった旨の文書が届いた。岡崎自身は開始3時間前にボビッチ強化部長から出場が可能になったことを聞いた。

 登録完了直後の“スクランブル先発”だったが、岡崎はうっ憤を晴らすかのようなプレーを見せた。日本代表と同じ4―2―3―1の左MFに入って持ち味の豊富な運動量で攻守に奮闘した。前半15分には左サイドから中央へ切れ込んで、DF2人を抜いて右足でシュート。惜しくもGKに阻まれたが、シュツットガルトの最初のチャンスを作った。守備でも自陣の深い位置まで戻ってカバーするなど貢献。「体とかスピードとか通じると思うし、前に出ればシュートまでいける」と手応えを感じていた。

 日本代表のゴールゲッターが、苦難の末にやっと立った欧州の舞台。「自分ははい上がるタイプなので、ここから一から、長友のようにはい上がっていきたい」。インテル・ミラノでプレーする僚友に負けじと、岡崎がやっと走り出した。

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2011年2月19日のニュース