×

仙台 サポーターから知らされた7季ぶりJ1

[ 2009年11月9日 06:00 ]

<水戸・仙台>7季ぶりとなるJ1復帰を決めて喜ぶ仙台イレブン

 仙台とC大阪が来季のJ1昇格を決めた。J2第48節の8日、2位の仙台は4―0で水戸に完勝。湘南が引き分け、甲府が敗れたため3試合を残して3位以上が確定し、03年以来7季ぶりのJ1復帰が決まった。6季のブランクを経ての再昇格は、札幌の5季を抜く史上最長記録。首位のC大阪も草津に5―0と大勝し、06年以来4季ぶりのJ1復帰となった。

【試合結果
J2順位表


 敵地の半分以上を占めた約4500人の仙台サポーターの歓声が、J1復帰の吉報だった。試合終了から少したち、甲府と湘南の試合結果を携帯電話でチェックしていたサポーターから知らされ、スタッフ、イレブンは歓喜に浸った。「みんな意外と泣いていて、もらい泣きしてしまった」。7季ぶりのJ1復帰に導いた手倉森監督も、サポーターの前で胴上げされ、うれし涙を流した。

 悔しさをバネに、昇格を手に入れた。昨季は3位で磐田との入れ替え戦に進んだが、1分け1敗で悔し涙に暮れた。手倉森監督は「その悔しさが糧になった」と振り返った。“勝ち切るサッカー”への転身を図り、ミーティングでは戦術よりも精神面に重点を置き選手の士気を高めてきた。この日は前半2分にFW中島が先制ゴールを奪うと、一方的な展開で大量4得点。昇格の可能性のあった試合でも硬くならなかったのが、この1年の成長ぶりを示していた。

 J2降格後の04年以降、1年ごとに監督が代わったが、今季は手倉森監督が残留。継続してチームづくりができたのも、昇格の要因になった。指揮官は3年契約の2年目だけに、白幡社長は「来季?皆さんの思っている通り」と監督続投を示唆。丹治強化部長は7日までブラジルで新外国人のチェックを行うなど、J1に向けての準備を着々と進めている。

 この日の2点目は主将のMF梁勇基の右CKをMF千葉が頭で押し込み、3点目はDF菅井のゴール。いずれも生え抜きの選手が絡んだように、J2での6年間の集大成と言える試合となった。梁勇基は04年入団で、来季は初のJ1でのプレーとなる。「こみ上げるものはある。でも、これがすべてではない」。次の目標はJ2優勝。プロ野球の楽天で沸いた仙台を、イレブンはさらにサッカーで沸かせてみせる。

続きを表示

2009年11月9日のニュース