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W杯で完全燃焼を…高原決意の帰国

[ 2008年1月10日 06:00 ]

帰国した高原は大勢の報道陣に囲まれる

 フランクフルトから浦和への移籍が内定した日本代表候補FW高原直泰(28)が9日、帰国した。過去2度のW杯で不完全燃焼に終わった高原は早くも2010年W杯南アフリカ大会への思いを吐露。10日に浦和のメディカル検査を受け、11日に浦和・高原として単独でVIP会見に臨む。検査結果に異常がなければ、15日に始まる岡田ジャパンの鹿児島・指宿合宿にも参加する見通しだ。

 日本最強ストライカーの目つきが一瞬、鋭くなった。報道陣から岡田ジャパン、そしてW杯について質問が飛んだ時だ。「W杯予選、W杯には思い入れというか、強い思いがある。いいコンディションを維持したい。代表に残る保証はないし、FWとしてしっかりいい結果を残していきたい」。高原はよどみない口調で話した。

 過去2度のW杯には“忘れもの”がある。02年日韓大会は直前に突然、エコノミークラス症候群に襲われた。エースとして期待されながら、地元開催のW杯を棒に振る悪夢。4年後、リベンジを期した06年のドイツ大会でも大会中に右ひざの違和感に襲われ、無得点に終わった。夢の舞台、W杯にはいい思い出が1つもない。

 3度目の正直となる10年W杯は譲れない。浦和移籍を決断したのも「日本のため、日本代表にフル参戦したい」という思いが強いからだ。エコノミークラス症候群の原因となる長距離移動は減り、すべての国内合宿にも参加できる。浦和には「日本では異質なクラブ。サポーターが支えているし、サッカーを取り巻く環境が素晴らしい」という魅力もあった。

 かつて欧州から2度の日本復帰を果たした先駆者のカズもこの日、ブラジルから帰国し、高原を激励した。「これでJリーグも盛り上がる。日本もいいリーグになったし欧州と日本を行ったり来たりするのは(経験の上でも)いいこと」。94年にイタリア、99年にクロアチアに在籍しその後、Jに復帰しながら代表でも先頭に立って引っ張った。日本のエースを後継する高原へ、惜しみないエールを送った。

 高原は10日、浦和のメディカル検査を受ける。近い関係者は「不安はない」と話すが、誰よりも健康面に気を配る高原は「正式にサインするまで、何が起こるか分からない」と慎重だ。メディカル検査をクリアすれば、15日に始まる岡田ジャパンの指宿合宿への参戦も決定的。浦和・高原としての新たな挑戦がいよいよ始まる。

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2008年1月10日のニュース