ソチ主将に41歳葛西 夏冬通じて日本最年長
ジャンプ界の“レジェンド”が日本選手団の顔に選ばれた。ノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(41=土屋ホーム)がソチ五輪の日本選手団で主将を務めることが14日、日本オリンピック委員会(JOC)から発表された。夏季五輪も含めて最年長の主将となる葛西は、冬季五輪史上最多となる7度目の出場を決め、11日のバートミッテルンドルフ大会(オーストリア)ではW杯最年長優勝。この日帰国し、悲願の金メダル獲得への道筋を語った。
W杯最年長優勝のトロフィーを携えて空港に降り立った41歳。成田空港でも、その後の新千歳空港でも多くの報道陣に囲まれ「こんなに盛り上がっているとは思ってなくて帰国早々びっくりした」と驚いた様子だった。
勲章に大きな肩書も加わった。日本選手団の主将だ。「過去6大会は話は一度もなかったが、調子がいいので、もしかしたらあるかなとひそかに期待していた。運命だと思う。大変名誉」。午前に遠征から帰国し、夕方に橋本聖子選手団長から電話があったが、札幌市の自宅で熟睡して気付かず全日本スキー連盟からの連絡で決定を知った。豊富な経験だけではなく競技で期待も懸かる。葛西は金メダルへの道筋もシミュレートしていた。
思い出すのは「あの時も調子が良かった」と振り返る94年リレハンメル五輪。「国内でバッケンレコードを2回塗り替えて、五輪前にはノルウェーの小さい大会で優勝した」。絶好調だったはずが「そのへんでいいジャンプを出し尽くしてしまった」と本番は団体の銀メダルのみに終わった。
「休まずに全部勝とうとしていた。体よりも頭が疲れた」という反省が調整を考えるきっかけとなった。現在もジャンプは絶好調ながら、風邪をひいて気管支炎でせきも出る。16、17日の宮の森のコンチネンタル杯は回避し、18、19日の大倉山の2戦に出場して来週のW杯札幌大会に備える。
W杯最年長優勝で「うるっときたが、涙は早いと思い、こらえた。泣くのは五輪で…」と葛西。日本の主将として金メダルロードを歩き始める。
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