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土井杏南 福島ら先輩と露天風呂で“裸の付き合い”

[ 2012年7月18日 06:00 ]

公開練習後、フォトセッションで笑顔を見せる女子400メートルリレーメンバー(左から)土井、佐野、高橋、市川、福島

 80年ぶり偉業へ、女同士の湯けむり交流だ。ロンドン五輪の陸上女子400メートルリレー代表・土井杏南(16=埼玉栄高)ら男女短距離陣が17日、山梨県富士吉田市で合宿を公開。出場すれば戦後史上最年少となる土井は、合宿中にリレーメンバー全員で露天風呂に入り、交流を深めたことを明かした。福島千里(24=北海道ハイテクAC)ら先輩スプリンターとの“裸の付き合い”で、32年ロサンゼルス五輪5位以来、80年ぶりの入賞を実現する。

 バトンパスの精度など、コンビネーションを高めるのはグラウンドの中だけじゃない。富士山の麓で国内合宿を行っている女子高生スプリンター・土井ら男女の短距離陣。宿舎にある露天風呂からも、霊峰の雄大な姿を眺められる。出場すれば戦後最年少となる16歳は「リレーメンバーみんなで温泉に入りました」と、はにかみながら湯けむり交流をしたことを明かした。

 今合宿では3月の沖縄合宿に続いて、市川華菜(21=中京大)と同室。市川と2人で温泉に入るだけではなく、福島、高橋、佐野を加えたメンバー全員でも湯船に漬かり、ガールズトークに花を咲かせた。裸でつないだ心のバトンは、コンビネーションの向上に一役買うに違いない。露天風呂で「あ~、富士山だぁ。気持ちいい~」と絶景を楽しんだ土井は、チーム最年少でもマイペースを貫いている。「先輩の背中を流すことはなかったです。私は自分で背中を流しましたよ!」と背中を洗うしぐさまで大サービスで披露した。

 6月の日本選手権100メートルで福島に次ぐ2位に入り、一気に注目を浴びた。殺到する報道陣に戸惑いの表情を見せたこともあったが、15日からの合宿では順調に調整が進んでいる。この日の練習でも、16歳らしく元気いっぱいにバトン練習などをこなした。「五輪はもう始まっている。いいイメージを持ってやっています。ワクワクもしてるし、“いよいよだ”って緊張感もあります」。練習を終えた後は、宿舎でリラックス。「ゴロゴロしてる時間が好きなんです」と笑みを浮かべた。

 23日に事前合宿地のドイツ・フランクフルトに渡る。現地ではエース・福島を除く4人で、残り3枠の出場メンバー決定のタイムトライアルが行われる。100メートルで今季日本ランク2位の16歳は、順当なら本番で1走が濃厚だ。「個人の走力をもっともっと上げていきたい」。48年ぶりに日本女子が出場する夢舞台で、目指すは32年ロサンゼルス五輪以来、80年ぶりの決勝。無限の可能性を秘めた女子高生スプリンターが、偉業に向かって爆走する。

 ≪決勝は12日≫女子400メートルリレー予選は8月9日午後8時20分(日本時間10日午前4時20分)に行われ、決勝は10日午後8時40分(同11日午前4時40分)に号砲。男子400メートルリレーは予選が10日午後7時45分(同11日午前3時45分)、決勝は11日午後9時(同12日午前5時)に行われる。

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