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史上初!五輪メダルへプロと共闘!壮行スパー実現

[ 2012年7月5日 06:00 ]

三浦とスパーリングをする五輪代表の村田(右)

 ロンドン五輪のアマチュアボクシング代表4選手が4日、東京・神楽坂の帝拳ジムでプロ選手を相手にスパーリングを行った。長く断絶していたプロとアマだが、2年前のアマ側のオープン化に伴い、史上初の五輪壮行スパーリングが実現。メダル候補のミドル級・村田諒太(26=東洋大職)ら代表選手は、プロの協力で日本ボクシング界を挙げての最終調整に入った。

 プロとアマ、それぞれのプライドがミドル級の重いパンチの応酬にこもっているようだった。

 村田が左ボディーから得意の接近戦で連打すると、10月に東洋太平洋スーパーミドル級王座挑戦を控える三浦広光も太い腕を振る重い左フックを返す。「練習相手をしていただけることが、ありがたい」。パートナー不足に苦しむ村田は、思い切り打てるスパーリングを終え、すがすがしさすら交えて話した。

 この日から4日間の予定で始まった五輪代表の帝拳出稽古には、代表の全4選手が参加。快く引き受けた帝拳側も、元WBA世界スーパーバンタム級王者・下田昭文、世界9位の亀海(かめがい)善寛らトップ選手を用意した。

 実は、このプロ・アマ合同練習自体が、10年以上も禁止されていた。選手引き抜きに反発したアマ側が、プロとの交流を禁止。日本アマチュアボクシング連盟の山根明会長の登場で、2年前からオープン化が実現した。

 リングサイドで見守った山根会長は「プロはプロの、アマはアマのよさがある。交流することで強化できる」と話す。その効果で、最近3大会は五輪出場枠獲得すら厳しかったが、ロンドン五輪は92年バルセロナ大会以来、5大会ぶりに4選手が代表枠を獲得した。

 昨年の世界選手権で2位に入り、44年ぶり五輪メダルが期待される村田は「今の連盟の体制なくしては、できない。感謝している」と話し「あと3週間、成長する余地はある」と目標の金メダルへの意欲を話した。

 歴史的和解が生んだ五輪代表選手の壮行スパーリング。リング外で火花を散らしていた双方のプライドが、リング内のみでぶつかり、日本ボクシング界の悲願のメダルへの思いが一つになった。

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2012年7月5日のニュース