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憲章は1都市開催…IOC「広島・長崎五輪」に否定的

[ 2009年10月13日 09:27 ]

ハードル高くても…広島市「柔軟に対応する」

長崎市長は「理由を聞いて考えたい」

日韓共催のような形は無理!JOC対応策を検討へ

国際オリンピック委員会(IOC)のジルベール・フェリ五輪統括部長は12日、共同通信の電話取材で、2020年夏季五輪招致を検討する広島市と長崎市の共同開催案について「五輪憲章は1都市での開催を定めている。共同開催は認めておらず、現時点で答えはノーになる」と否定的な見解を示した。
 広島市の秋葉忠利市長らは13日、東京都渋谷区の岸記念体育会館を訪れて日本オリンピック委員会(JOC)の市原則之専務理事と会談、招致を検討する趣旨や経緯を説明して理解を求めた。JOCの竹田恒和会長は歓迎する一方で「20年五輪の招致活動はまだ全く白紙の状態」と強調した。
 会談後に、立候補するかどうかの結論を来春までに出す意向を示した秋葉市長は、IOCが共催案に否定的なことについて「これから検討する問題。最初から結論を出すなら検討する必要はない」と明言を避けた。竹田会長は「五輪は半世紀以上、1都市で開催してきた。IOCが共催を認めなければそうせざるを得ない」と、現実的な見方を示した。
 秋葉市長は首相官邸で松野頼久官房副長官とも会い、政府の支援を求めた。同市長は「20年は平和市長会議が掲げる『核兵器のない世界』実現の年で、鳩山総理が言った温暖化ガス25%削減が実現する年。広島、長崎を中心に開くのは大変意義がある」と話し、松野副長官は「国としてお考えは伺いました」と応じたという。
 五輪開催でIOCの実務責任者であるフェリ部長は一方で「1都市で五輪を開催し、ほかの都市でサッカーの1次リーグなどを開催することは可能だろう」と説明。広島か長崎の一方が主催し、もう一方で一部の競技を分散開催する形態なら容認することを示唆した。被爆両市が核廃絶と平和の象徴として五輪開催に乗り出すことには「良い開催意義かもしれない。招致にメッセージがあるのは強みになる」と理解を示した。
(共同)

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2009年10月13日のニュース