【府中牝馬S】伏兵イズジョーノキセキ 重賞初制覇!イン待機からソダシを頭差差し切り

[ 2022年10月16日 05:00 ]

<府中牝馬ステークス>レースを制したイズジョーノキセキ(6)内はソダシ(撮影・郡司 修)
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 牝馬限定G2「第70回府中牝馬S」が15日、東京競馬場で行われ、12番人気の伏兵イズジョーノキセキが重賞初勝利を挙げた。岩田康誠(48)の好リードで断然人気のソダシを破り、石坂公一師(39)にうれしいJRA重賞1勝目をプレゼント。これでエリザベス女王杯(11月13日、阪神)の優先出走権を得た。

 「キャアアア!!」。イズジョーノキセキがソダシに襲いかかった瞬間、東京競馬場に悲鳴が上がった。主役の座を一瞬で奪う会心の末脚。その瞬間、岩田康はガッツポーズを連発し、「最高のレースをしたら体が反応してしまうね」と笑った。

 芸術的な騎乗だった。道中は後方のインで体力ロスを抑えた。直線でゴチャつきそうな位置にいたが鞍上は冷静。「ソダシが前にいるのは分かっていた。付いていけば必ず前が空くと思っていた」。思惑通り、抜け出したソダシの背後からするっと外に出す。最後は測ったように頭差だけ差し切った。岩田康は「さすが(直線の長い)東京競馬場。この馬の末脚だから勝てたんです」と汗を拭った。

 泉一郎オーナーに届けた初タイトル。喜びはひとしおだ。同オーナーの勝負服は「白地に青たすき」。岩田康が園田時代に着用した勝負服と全く同じ柄を使用している。岩田康は「ずっと応援していただいている。期待に応えられて大変うれしく思います」と感謝を口にした。

 これがJRA重賞初勝利となった石坂師も「馬が大人になってきたし、成長を感じる。(重賞初勝利は)厩舎として力を付けてきたなという実感もある。スタッフがうまく仕上げてくれた」と笑顔。次走は昨年5着に善戦したエリザベス女王杯。今年の大一番は“最強の白毛馬”を破った自信を胸に戦う。

 ◆イズジョーノキセキ 父エピファネイア 母キングダンサー(母の父キングカメハメハ)17年2月16日生まれ 牝5歳 栗東・石坂厩舎所属 馬主・泉一郎氏 生産者・北海道新ひだか町の沖田哲夫氏 戦績21戦5勝 総獲得賞金1億6224万2000円 馬名の由来は馬主名+人名より+奇跡。

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2022年10月16日のニュース