JRA騎手もコロナ基金設立!プロ野球選手会に続く支援の輪 武「各騎手1回騎乗で1000円」

[ 2020年4月14日 05:30 ]

JRA騎手も支援の輪を広げる!!12年3月、阪神競馬場でチャリティーイベントのあいさつをする武豊(中央)
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 JRAの日本騎手クラブ(武豊会長=51)は13日、新型コロナウイルス感染拡大防止を支援するための基金を設立すると発表した。先週11 日の開催分から当面の間、各騎手が1レースの騎乗ごとに1000円を積み立てる。支援先は今後、同クラブが決定する。

 日本騎手クラブが、新型コロナウイルスに苦しむ人たちへの大胆な支援策を決めた。140人の騎手を代表する形で同クラブの武豊会長は「4月11日から当面の間、各騎手がJRAのレースに1回騎乗するごとに1000円を基金として積み立てることにしました」と発表。これは昨年一年間の中央競馬全レースで換算すれば、約4700万円の基金が積み立てられることになる。

 国内スポーツ団体では、プロ野球選手会(炭谷銀仁朗会長)が同様の基金を3日に立ち上げたばかり。対コロナウイルス支援の輪がスポーツ界に広がっていく。

 JRAの競馬場は東京、中山、阪神、小倉の4場が緊急事態宣言が発令された都道府県に所在している。それでも、無観客競馬(2月29日から)ながらここまでの全日程を消化。先週は牝馬クラシック1冠目の桜花賞(12日)も無事にゲートインできた。武豊は国難下で騎乗できる意味を踏まえた上で「騎手一同大変感謝しているところです」と謝意を示した。

 現在、中央競馬は競馬場&ウインズの一般ファンへの開放を行っていない。馬券は電話・インターネット投票に限定して発売しているが、売り上げは前年比の約2割減と踏みとどまっている。外出自粛要請中に人々が自宅で楽しめる娯楽として貢献しているといえるだろう。武豊は「一日も早く、皆さまの日常が取り戻せるよう心から願っております。我々も競馬開催を継続できるよう関係者全体で取り組んでまいります」と決意を表明した。

 馬券の売得金の一部を国庫納付金として納めている中央競馬。昨年は納付金約3200億円が国の一般財源に繰り入れられている。コロナの影響に揺れる日本について「娯楽、財政の両面から支えていく」と競馬関係者。今回、発表された新たな基金は今後、騎手クラブが適切な支援先を決めることになるが、競馬界が財政的な面で果たす役割は大きい。

 ▼田中勝春 緊急事態宣言が出された中でも競馬をさせてもらっています。とてもありがたく感じています。自分たちの積み立てが(支援のために)少しでも役に立ってもらえればと願っています。お互いに頑張って、この難局をなんとか乗り切っていきたい。

 ≪過去の中央競馬関係の義援金、寄付金≫
 11年4月 東日本大震災の被災地支援として、日本競馬サークル4団体が同年3月中に行われた「被災地支援競馬」の開催等を通じ、日本赤十字社に義援金12億9087万6355円を贈呈。

 16年4月 熊本地震被災地支援として、熊本県へJRAから1000万円、日本調教師会から300万円、日本騎手クラブから100万円を寄付。

 18年10月 同年7月の豪雨、北海道胆振東部地震の被災地に対し、栗東所属の騎手16人が日本赤十字社を通じてそれぞれに100万円、計200万円を寄付。

 <各競技の支援>
 ☆プロ野球 日本プロ野球選手会は、クラウドファンディング大手の基金を通じた寄付活動を始めている。1口1000円からで、研究開発や医療機関の支援に役立てるという。賛同した選手が動画などで、ファンらに寄付への呼び掛けも行っている。

 ☆陸上 マラソンの神野大地(26=セルソース)が「ユーチューブ」で運動不足解消を目的とした「自宅でできる10分エクササイズ」を公開。この動画の広告などで得る収益は、新型コロナウイルスの研究機関や団体に寄付する方針。

 ☆男子テニス ロジャー・フェデラーが母国スイスの家庭に100万スイスフラン(約1億1000万円)を寄付。ノバク・ジョコビッチは100万ユーロ(約1億1800万円)を母国セルビアの医療機関に寄付した。ラファエル・ナダル(スペイン)も赤十字と連携し1100万ユーロ(約12億9800万円)の寄付を目指している。

 ☆海外サッカー 英・プレミアリーグの選手たちが、独自に国家医療制度(NHS)を支援する基金を設立。クラブやリーグとは別にNHS職員や新型コロナウイルスに感染した患者らを援助する。

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