【シンザン記念】ビューティー、重たい坂路でラスト1F12秒8 西園師納得「万全」

[ 2020年1月10日 05:30 ]

坂路を併せ馬で駆け上がるタガノビューティー(左)(撮影・亀井 直樹)
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 栗東の「第54回シンザン記念」(12日、京都)組ではタガノビューティーがCWコースで万全の動き。芝重賞制覇からダートの大一番へ…。なかなか例のないパターンで世界への飛躍を目指す。

 若き二刀流が坂路で躍動した。桜井助手を背に坂路に現れたタガノビューティー。水をたっぷりと含んだタフなコンディションにも音を上げない。ラスト1Fはタケルライジング(4歳1勝クラス)と馬体を併せてびっしり。両者譲らず併入した。4F53秒7~1F12秒8。負荷のかかる馬場で、このラストなら十分だ。

 西園師も納得の表情。「先週、CWコース(6F84秒5~1F11秒9)で長めから追い切っている。坂路でもしっかり動けた。万全の仕上がり」。昨夏の新馬、秋のプラタナス賞とダートでデビュー2連勝。その後、予定していた全日本2歳優駿が補欠で除外。やむなく、初芝の不利を承知で朝日杯FSに向かったところ、上がり3F35秒2の切れ味を披露して見せ場たっぷりの4着。まさしく“ひょうたんから駒”だった。

 ただ、西園師には期待があった。「人気はなかった(9番人気)けど野心はあった。一戦ごとの伸びしろが大きく、体が完成しつつありましたから。コースが替わっても距離は引き続き1600メートル。和田君も1回乗って、手の内に入れてくれたと思う」

 西園師にとってシンザン記念は08年ドリームシグナル、13年エーシントップで2戦2勝と好相性の一戦。芝で初重賞を決め、その後は再度ダートへ向かう青写真。ヒヤシンスS(2月23日、東京)から伏竜S(3月28日、中山)。その先には3歳ダート世界一を目指し、ケンタッキーダービー(5月2日、チャーチルダウンズ)に挑むプランだ。「どういう路線を歩むかは、ここの結果次第。全力で勝ちにいきます」。大谷の活躍で「ニトウリュウ」という言葉は米野球界に浸透したかもしれないが、競走馬の二刀流という発想は米国でも薄い。芝重賞をステップにダートの大一番を目指すパイオニアとなれるか。

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2020年1月10日のニュース