平成最後のJRA開催でルメールが外国人騎手初のJRA1000勝を達成

[ 2019年4月29日 13:38 ]

<新潟5R>JRA通算1000勝を達成して笑顔で手を振り引き揚げるクリストフ・ルメール騎手(撮影・郡司 修)
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 天皇賞・春をフィエールマンで制し、今年も国内外ですでにG14勝を挙げている絶好調男が、また新たな金字塔を打ち立てた。JRA移籍5年目のクリストフ・ルメール(39)が、月曜新潟5Rのエクセランフィーユ(牝3=木村)で史上34人目、現役17人目のJRA通算1000勝を達成。外国人ジョッキーとしては初。5122戦目での達成は、JRAが発足した1954年以降では最少騎乗での達成で、武豊(50)が持つ5585戦目の従来の記録を大幅に更新する“超速”記録となった。

 単勝1・2倍、断然の1番人気。ファンの支持に背中を押されるように、5番手から直線で抜け出した。ルメールはゴールの瞬間、右拳を2度ギュッと握り歓喜のガッツポーズ。1000勝表彰式のお立ち台では「安心した。1000勝まで少し時間がかかった」と笑顔で喜びを語るも、祝福に集まった同僚ジョッキーたちにすかさず「かかってない速いよ!」と突っ込まれた。外国人騎手として初めての記録でも、気持ちはすっかり日本の仲間。「毎週一緒に戦っている仲間みんなが祝福してくれるのが一番うれしい」と目尻を下げた。

 今でも週に1回、家庭教師のもとで2時間の日本語レッスンに励んでいるというルメール。「騎手になってから日本に来るのが夢だった。17年前に短期免許で日本に来てとてもうれしかった。4年前から日本に住み競馬をしている。1000勝でき感謝している。ありがとうございます。(最少記録更新は)いいね。日本は競馬場が凄くいいし、馬も世界レベル。JRAの組織は凄い。ジョッキーとして乗るためには凄くいい国。ヨーロッパの生活と日本の生活は全然違うけれど、日本の生活にも慣れて日本食も納豆以外は美味しい。日本人はリスペクトしてくれるし僕も家族も住みやすい」。

 02年にJRA初騎乗して以降は毎年、短期免許でJRAで騎乗し、15年に同騎手免許試験に合格して移籍した。母国フランスでも通算1120勝を挙げている。昨年はJRA新記録となる年間215勝をマーク。アーモンドアイで牝馬3冠を達成し、最多勝利、最高勝率、最多賞金獲得、MVJと騎手部門のタイトルを総なめにした。今年もドバイターフ(アーモンドアイ)、桜花賞(グランアレグリア)、皐月賞(サートゥルナーリア)、天皇賞・春(フィエールマン)と国内外でGI制覇。日本競馬界になくてはならない騎手として、確固たる地位を築いている。今週は日曜東京メインのG1「NHKマイルC」に、グランアレグリアで参戦予定。「毎競走、毎競走が目標」とどん欲に1勝を狙う名手が、平成最後を輝かしい記録で締めくくり、そして令和の新時代も競馬界の中心にいる。

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2019年4月29日のニュース