【ＪＢＣクラシック】ブレイブ砂王！福永がルメール止めた

直線で抜け出し差し切ったケイティブレイブ（左）（撮影・平嶋　理子）　　
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　ダービージョッキーが淀で魅せた。ダート競馬の祭典「ＪＢＣ３競走」が４日、京都で創設以来初めて中央開催として行われた。「クラシック」は今年のダービーを制した福永祐一（４１）騎乗のケイティブレイブ（牡５＝杉山）がＧ１３勝目。「スプリント」はグレイスフルリープ（牡８＝橋口）が勝ち、昨年ダービーＶの鞍上クリストフ・ルメール（３９）は、いずれもＪＲＡ新記録となるＧ１４週連続Ｖ＆年間７勝を達成した。「レディスクラシック」はダービー２勝の横山典弘（５０）騎乗のアンジュデジール（牝４＝昆）が制した。

　俺が止める！福永・ケイティブレイブが３角すぎで動いた。前にはルメールのサンライズソア。「ルメールが前にいたので早めにつかまえにいきました」。絶好調男を捉えなければ勝ちはない。一完歩ごとに差を詰めてラスト１００メートルで“目標”を競り落とすと、後続も封じてみせた。

　福永は直前の１０Ｒ・ＪＢＣスプリントは騎乗馬がなく、ジョッキールームで観戦。ルメールのＧ１４連勝を見届けた。「ジョッキー仲間と見ていて“ルメール、半端ねえ”と話していた。誰か止めるしかない、自分が何とか止めたいと思っていた」。今年のダービージョッキーが日本人騎手のプライドをぶつけた。「道中のポジションは流れを見て、この馬のリズムを第一に運ぼうと思っていました。思いのほか前が速くて置かれたけど、あんな形でも勝っているので心配はしていなかった」。会心の勝利に頬を緩めた。

　ブレイブを管理する杉山師はうれしいＪＲＡ・Ｇ１初制覇となった。今年２月末で定年引退した目野師から引き継いだ時点で１７年帝王賞、今年の川崎記念と既に２つのＧＩタイトルを手にしていたブレイブ。師は「３月に引き継がせていただいたときはプレッシャーを感じていました」と当時の心境を明かす。かつて武宏平厩舎の助手として０９年菊花賞馬スリーロールスの調教役を務めたトレーナーは、さらなるレベルアップを図り、日々の稽古に取り組んできた。「地方はパワー、中央はスピードを求められるイメージ。スピード負けしないためにもトモの力がつくように調教してきました」と工夫が実を結んだ。

　今後については「オーナーと相談して無事なら」とチャンピオンズＣ（１２月２日、中京）参戦を明言した。福永は「チャンピオンホース２頭に立ち向かっていく上で、それにふさわしい勲章を手にできました」と胸を張る。ひと足早く、先月８日の南部杯で激突した３歳ダート王ルヴァンスレーヴと古馬の大将格ゴールドドリームが待つ師走のＪＲＡダート頂上決戦へ。この勝利が２強への挑戦状だ。

　○…ケイティブレイブのオーナー・瀧本和義氏（６８）はレース後も興奮した様子。「馬主になってちょうど３０年目。ケイティタイガーで中山大障害（９７年）を勝ったことはあるが、当時はグレードが付く前だった。しばらくぶりの興奮で机を叩いてしまったかもしれません」。次に控える大一番にも自信を深めた様子で「これでチャンピオンズＣ（１２月２日、中京）も楽しみ。強い相手を倒したい」と力を込めていた。