菜七子、通算30勝達成でG1騎乗王手!17日は5鞍騎乗予定

[ 2018年6月17日 05:30 ]

東京8Rで勝利した藤田菜七子(撮影・平松さとし)
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 ついに王手だ!!G1レースへの騎乗が可能となる通算31勝まで残り2勝に迫っていた藤田菜七子(20)が16日、東京8R(3歳上500万下、ダート1400メートル)を2番人気スズカアーチスト(牝3、伊藤圭)で制した。5月19日新潟8R以来の今年8勝目、JRA通算28勝目を挙げ、地方でのJRA交流競走2勝を含む通算30勝に到達。夢切符獲得へあと1勝とした。17日は東京メインレース、ユニコーンS(G3)でミックベンハーに騎乗。記念すべき通算31勝目とともに、JRA日本人女性騎手として史上初の重賞初制覇に期待が懸かる。

 東京8R後の検量室前。5月19日以来、約1カ月ぶりの勝利に、菜七子スマイル全開だった。

 「減量(49キロ)も効いていたし、馬が本当に頑張ってくれました。4コーナーを向いても手応えがよく、前の馬を楽にかわせた。最後まで余裕がありました」

 臨機応変の対応力が光った。スズカアーチストが背負う49キロの軽量を生かした逃げが第一プラン。しかし、他馬が一気にハナを奪うと、とっさに手綱を引いた。「逃げたかったけど、速い馬がいた。2番手で運ぼうと考えました」。瞬時に次の作戦へ切り替え、好位で折り合うと抜群の手応えで直線へ。早めに先頭に立ち、後続の追い上げを問題にしなかった。「気性が悪いところがあるので、そこだけ気を付けました」と会心の騎乗を振り返った。

 この勝利で、G1レースへの騎乗可能となる通算31勝まであと1勝。ただ、夢切符と同時に、デビュー5年未満の若手騎手が避けられない壁も待っている。通算31勝に達すれば、減量騎手の負担重量の恩恵が3キロ減から2キロ減となる。馬柱上の印でいえば、「▲」から「△」へ。スタートセンスを武器に前めから押し切る勝ち方が多い菜七子にとっては気になる問題だが、本人もそれは理解している。「減量が全くなくなった時のことも考えて、“レースの幅を出したい”とは常に思っている。いろいろな流れに対応できるようになりたい。そのためにたくさんレースに乗りたい」。乗鞍が減る2場開催中は毎週のように地方競馬へ遠征。新しいスタートへの準備は始まっている。

 デビュー前はダイワスカーレット、ウオッカといった“女傑”がG1で牡馬をなぎ倒す姿に憧れた。テレビで見た大舞台は、JRA16年ぶりの女性騎手という険しい道を選ぶきっかけにもなった。「今はまだ特に意識していません」と前置きした上で、「いつかはG1に乗せていただけるような騎手になりたい。まずは目の前の次の1勝を早めにできるように頑張りたい」と力を込めた。17日も東京で重賞を含めた5鞍に騎乗。菜七子から目が離せない。

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2018年6月17日のニュース