小島太師 定年控えた今も見る騎手時代の夢「面白かった」

[ 2018年2月8日 05:30 ]

厩舎のマスコットと笑顔を見せる小島太師
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 定年解散に備えて日用品や室内装飾品が半ば運び出された小島太厩舎。「これで全て終わりだ」。厩舎の主は壁に掛かった入退厩を表示するボードの上に馬名入りのマグネットを貼り終えると、寂しそうな顔でつぶやいた。

 「騎手になって日本ダービーを勝ちたい」。見たこともない東京競馬場を思い描き競馬月刊誌・優駿を読みあさった小学生が北海道から単身上京したのは東京五輪前年の63年。78年サクラショウリと88年サクラチヨノオーでダービージョッキーになった。「華がある男」と呼ばれた名手は96年にムチを置いた後、マンハッタンカフェ、イーグルカフェを育てG1・5勝。「調教師としては裏方に徹したが、負けたレースの方が記憶に残っている」。小島太師は胸の内をこう明かした。「今だから言えるが、騎手の方が面白かったな。パドックに遅刻して大急ぎで騎乗馬にまたがる。そんな夢を今でも見るんだ」

 ◆小島 太(こじま・ふとし)1947年(昭22)4月11日、北海道生まれの70歳。66年に騎手デビューし、通算1024勝。96年調教師免許取得。JRA通算475勝、重賞24勝、G1はマンハッタンカフェで01年菊花賞、有馬記念、02年天皇賞・春、イーグルカフェで00年NHKマイルC、02年JCダート。

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2018年2月8日のニュース