菜七子×古川奈穂候補生、華やかな初競演 短期研修で併せ馬

[ 2018年1月11日 05:30 ]

Wコースで藤田(左)のあとをついて行く古川奈穂候補生
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 なでしこ騎手たちの共演に美浦トレセンが華やいだ。JRA競馬学校・騎手課程36期生の古川奈穂候補生(17)が10日、美浦トレセンで短期研修(10日間を予定)をスタート。憧れる藤田菜七子(20)との“共同調教”がいきなり実現した。

 憧れの背中を妹のように追い続けた。この日の美浦トレセンの主役は、競馬学校1年生の古川奈穂騎手候補生(17)だ。競馬学校のカリキュラム「短期研修」で美浦を訪れ、先輩女性騎手の藤田菜七子が所属する根本厩舎で実践研修。厩舎→坂路→Wコースと馬上の菜七子が付きっきりでエスコートする。馬場へ入っていく2人を前に根本師は「せっかくだから菜七子との併せ馬を用意したんだ」と、ちゃめっ気たっぷりに笑った。

 Wコースでもポイズンピル(3歳未勝利)にまたがった菜七子が先導。キャンターながらペースをつくっていく。奈穂候補生は後ろで新馬のサンバッファローを必死に制御。師が「ゲートも受かった馬だし人の言うことを聞くよ」とお墨付きを与えた馬で、無事にゴールを走り抜けた。トレセン初騎乗を終え、コースから引き揚げてきた際にはあどけない笑顔も。師は「まだプロじゃないから評価はできないけど、これが彼女にとってもいい経験になったんじゃないか」と優しくほほ笑んだ。

 16年ぶりのJRA新人女性騎手として菜七子が注目を集めたのが約2年前。一度は普通高校に通った同候補生だったが、そのまぶしい姿に憧れた。一念発起し、歩み始めた騎手への道。懸命に自分を追う後輩に、菜七子は「初心を思い出した。憧れてくれているという話を聞いて、改めて目標とされる騎手になりたいなと思いました」と話した。

 順調ならデビューは20年の3月。険しい道は続くが、そばで菜七子を見守り続けた師は心からのエールを送る。「(デビューしても)3人も騎手がいる、うちの厩舎もに所属することはないんだけど、たくさん乗って経験を積んでもらいたい。菜七子にも刺激になるんじゃないか」。デビュー前ということで本人への取材はNGだったが、随所で見られた奈穂候補生の笑顔。20年の東京オリンピックイヤーに実現するかもしれない“なでしこ騎手”たちの競演が今から待ち遠しい。

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