【天皇賞・秋】G1顛末記 全ては“ど根性ホース”レインボーのおかげ

[ 2017年10月29日 16:56 ]

<天皇賞・秋>雨中のレースを制したキタサンブラックと武豊(中央)
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 究極の消耗戦。これがキタサンブラックの底力か…。ゲート内で突進し後方からのスタート。“万事休す”かと思われたが、直線荒れた内側をショートカットして堂々の押し切りV。強い、強すぎる。生粋の重馬場巧者サトノクラウンが猛追するも、どこまでいっても変わらなかった「頭差」だと思う。ターフで雄姿を見られるのもジャパンC(11月26日、東京)と、有馬記念(12月24日、中山)のラスト2戦。伝説の名馬の走りをしっかりと目に焼き付けたい。

 上位2頭に引けを取らない底力を発揮したのが3着のレインボーライン(13番人気)。勝負どころでインを突いた2頭に対し、こちらは外を回る形。それでも坂下では先頭に立ちそうな勢いがあった。「舞台を問わず、いつも一生懸命走ってくれる」(浅見助手)。思えば古馬との初対戦だった昨年の札幌記念(3着)で、2着モーリスと首差の接戦を演じた器。決して状態は良くなかった昨年のジャパンCでも0秒6差6着と奮闘していた。中間は立て直して馬体をフックラ見せ、攻めでは素軽い身のこなし。浅見助手は「いい頃は引っ掛かるぐらい。行きっぷりの良さが調子のバロメーターだから」と出来の良さを話していた。取材の感触から記者は4番手評価の☆。

 これが効いた。1、2番人気の決着でも3連複は△→◎→☆で1万5290円のオイシイ配当。全ては“ど根性ホース”レインボーのおかげだ。次も稽古の行きっぷりに注目したい。(細原 邦央)

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2017年10月29日のニュース