【関屋記念】鮮やか逃避行!マルターズアポジー重賞3勝目

[ 2017年8月14日 05:30 ]

<新潟11R・関屋記念>レースを制した武士沢(左)はプレゼンターを務めたタレントのラブリと握手
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 サマーマイルシリーズ第2戦「第52回関屋記念」が13日、新潟競馬場で行われた。先手を奪った7番人気マルターズアポジーが鮮やかな逃走劇で重賞3勝目。初めてのマイル重賞挑戦で即結果を出し、新マイル王候補に名乗りを上げた。

 問答無用の独り旅。ゲートが開いた瞬間、マルターズアポジーの馬体が真っ先に前に出た時点で勝負あった!!15頭を堂々と従え、前半3F35秒2の絶妙のスロー。直線を向いても逃げ脚は衰えない。2番手から必死に食らい付くウインガニオンに1馬身1/4差をつけ、重賞3勝目をゲットだ。

 武士沢は笑顔で切りだした。「同型との兼ね合いはあったが、うまくいった。作戦?逃げるのはこの馬の持ち味。本領を発揮して良かった」

 失意の福島遠征から一転し、2年ぶりに参戦した新潟でよみがえった。七夕賞は他馬に競り込まれ、前半3F33秒9の不本意なハイラップで直線失速。誰の目にも気の毒な敗戦を鞍上も堀井師も歯を食いしばって受け入れ、昨年10月秋風S1着以来、約10カ月ぶりのマイル戦に全てを懸けた。

 武士沢は「競馬場の(小回りなどの)形状などで2000メートルもこなしてくれたが、元々マイルは合っている」と分析。プランもあった今週の札幌記念をパスし、マイル転換見事に決まった堀井師は「スピード自体が他の馬とは違うので。1600メートルが最適と思っていた。持ち味を生かしてくれた」と659メートルの長い外回りの直線を耐えた愛馬を褒めちぎる。

 デビューから22戦、他馬に一度もハナを譲ったことがない個性派。昨秋の福島記念で重賞初V、2月の小倉大賞典で2勝目。全国各地を転戦し、結果的には大敗したG1挑戦も糧にした。

 鞍上・武士沢はJRA重賞5勝中、3勝がアポジーでマーク。夏の新潟では08年新潟記念(アルコセニョーラ)以来の重賞に「また新潟で重賞を勝ててうれしい。(アポジーは)真面目すぎる馬で行き過ぎる時もあるけど、それがレースではいい方に出ている」とコンビ結成16戦目の最愛パートナーに目を細めた。

 指揮官は「マイルに切り替えた以上、道は決まっている。次走はオーナーと相談して決めるが、もちろんマイル路線で」ときっぱり結んだ。サマーマイル王者が懸かる京成杯AH(9月10日、中山)は当然視野に。G1再進出の夢も膨らむ。武士沢は「これからは相手も強くなっていく。それを克服してくれれば」と目を輝かせた。夏の越後路でつかんだ財産は“実りの秋”の原動力になるはずだ。

 ◆マルターズアポジー 父ゴスホークケン 母マルターズヒート(母の父オールドトリエステ)牡5歳 美浦・堀井厩舎所属 馬主・藤田在子氏 生産者・北海道新冠町山岡牧場 戦績22戦8勝 総獲得賞金2億687万7000円。

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