【菊花賞】譲れないラスト1冠!さらに磨きかかったダイヤモンド

[ 2016年10月18日 05:30 ]

ラスト一冠へ全力で挑むサトノダイヤモンド
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 3冠ロード最終戦「第77回菊花賞」は秋初戦の神戸新聞杯を完勝したサトノダイヤモンドに注目が集まる。他馬をねじ伏せる横綱相撲でさらなるスケールアップを印象付けた。春は皐月賞3着、ダービー2着とあと一歩で涙をのんだが、ラスト1冠だけは譲れない。

 サトノダイヤモンドは秋初戦の神戸新聞杯を快勝。ラスト1冠獲りへ、最高のスタートを切った。レースは内から馬群を縫って伸びた2着のミッキーロケットに首差まで迫られたが、ゴール前の手応えでは相手を上回り地力の違いを見せつけた。池江師は「久々で道中は少し(ハミを)かむところがあった。その分ラストもいつもほど脚は使えなかったが、見ていて相手に抜かれる感じはなかった」と着差以上の内容を評価した。

 ひと夏を越して馬体は成熟。体重こそ変動はなかったが筋肉で盛り上がった前腕に、肉付きが増して、はち切れんばかりのトモ。進化した走りは稽古を見れば一目瞭然だ。1週前追いはサトノラーゼン(4歳オープン)とCWコースで併せ馬。躍動感ある身のこなしで7F98秒3。直線を向いて加速すると、ラスト1F11秒5の超抜時計で僚馬を4馬身追走から楽々と3馬身差突き放した。担当の中沢助手も心身の充実ぶりに目を細める。

 「春先に比べ見た目はそれほど変わらないが、腰や背中がしっかりとしてきた。以前は体が緩く前のめりで走っていたが、今は速いところにいっても上体が起きて走りのバランスが良くなってきた。前走はトライアルの仕上げ。今回は使った上積みも大きいはず」

 ダービーは道中で左後肢を落鉄するアクシデントがありながらも2着。ラスト2Fは馬体を併せての追い比べで、勝ち馬のマカヒキには約8センチ及ばなかった。そのマカヒキは凱旋門賞に挑戦して不在。ライバルとの再戦はお預けになったが、世代最強を証明するためにはラスト1冠を勝って力を示したい。池江師は「一度使ってこの馬らしい動きになってきた。ただ、3000メートルの距離は決してベストの舞台とは言えないし、走ってみないと分からない。その辺りはジョッキー(ルメール)の腕にも頼らないといけない」と名手に全てを託した。

 “最も強い馬が勝つ”といわれる菊花賞。馬名の通り磨きがかかった走りで、菊の大輪をつかみ取る。

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2016年10月18日のニュース