【スプリンターズS】ボヌール 坂路で13秒1!中竹師も絶賛「完成形」

[ 2016年9月30日 05:30 ]

坂路を単走で追い切られたブランボヌールは力強く駆け抜ける

 「第50回スプリンターズS」の木曜追いが29日に栗東で行われ、5頭全てが坂路に入った。キーンランドCの覇者・ブランボヌールは、中竹師が馬体を「完成形」と絶賛するほどの出来。9年ぶりの3歳馬Vへ、これ以上ない仕上がりをアピールした。

 歴史的名馬2頭の血が流れる馬体が凄みを増している。ブランボヌールの最終リハを見守った中竹師が「文句のない体。これが完成形かな」とつぶやいた。まだ3歳の秋を迎えたばかり。最大限の賛辞だ。

 昨夜から降り続ける雨で不良発表の坂路。序盤はリラックスして折り合う。徐々に加速をつけていくと、母の父サクラバクシンオーから受け継いだ筋肉を震わせ、荒れた馬場も何のその。輸送を控える木曜追いだが、ラストは鞍上からの激しい鼓舞。父ディープインパクト譲りの末脚で駆け抜け、4F54秒1~1F13秒1をマークした。

 「中間も負荷をかけたので今日は流す程度でいいと思っていたが、体もしっかりしているので急きょしっかりやった」と師。前走(キーンランドC、1着)の疲れはなく、カイバ食いも旺盛。前走で20キロ増えた体重もキープしている。「ボン、キュッ、ボン。筋肉が付いて首は首、肩は肩とはっきりしてきたよ」と愛娘を頼もしげに見つめた。

 母の父と父・ディープインパクトの長所をしっかりと受け継いでいる。重賞2つを含むスプリント3戦は全て差し切りV。「ギャロップに入ると凄く重心が低くなるし、ベストはこの距離」と師がサクラバクシンオー譲りの距離適性を語れば、佐々木助手は「体が小さくて、柔らかいところはディープインパクト。両方のいいところを受け継いでいるんじゃないですか」と説明。93、94年のスプリンターズSを連覇した母の父の得意舞台で、父の切れ味が生きた。

 空前のハイレベルと称される3歳世代は短距離界でも強い。今年の函館SS、キーンランドCでともにワンツー・フィニッシュを達成。07年アストンマーチャン以来の3歳馬Vの期待が高まる。「相手は分からないけど、とにかくいい状態で送り出せる」(同師)。名馬の“ハイブリッド娘”が、大物食いを予感させる仕上がりだ。

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