【凱旋門賞】昨年3着後低迷も…不気味すぎる存在ニューベイ

[ 2016年9月30日 05:30 ]

2015年10月4日の凱旋門賞で3着だったニューベイ(ゲッティ=共同)

 【合田直弘氏占う】英語に“forgotten horse”という表現がある。「実力があるのに、なぜか忘れられている馬」というニュアンスの言葉で、今年の凱旋門賞ではニューベイ(牡4、父ドバウィ)がそれに相当するように思う。

 3歳春、デビュー2戦目で初勝利を挙げると、次走はいきなり3冠初戦のG1仏2000ギニーに挑み、最後方から追い込む競馬で2着に健闘。続くG1仏ダービーでも再び後方一気の競馬を見せ、直線で大外を伸びて優勝。ちなみにこの時の2着は、今年のG1キングジョージを含めて、その後3つのG1を勝つことになるハイランドリールだった。

 ひと夏を越すと、一転して好位抜け出しという大人の競馬を見せるようになり、G2ニエル賞を制して臨んだ昨年のG1凱旋門賞は3着だった。ところが、今季初戦となったG1イスパーン賞で6着に大敗。秋に目標を切り替え、復帰戦となったG3ゴントービロン賞こそ勝利したものの、続くG1愛チャンピオンSは4着に終わっている。ただしこのレースは、ともに最後方から追い込んだ馬同士の1、2着で決しており、好位追走から粘ったニューベイのレース内容は、決して悪いものではなかった。

 つまりは、昨年の3歳世代における屈指の実力馬が、今季ここまでG1勝ちがないゆえ、忘れられた存在になっているのである。ましてや、同馬を管理するのは凱旋門賞歴代最多勝調教師のA・ファーブルだ。ノーマークにするには、不気味すぎる馬と言えそうである。(競馬評論家)

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2016年9月30日のニュース