【ラジオNIKKEI賞】ダイワドレッサーに石川興奮「凄い出来です」

[ 2016年6月30日 05:30 ]

石川を背に3頭併せで追い切るダイワドレッサー(中)

 24年ぶりの牝馬制覇だ。福島競馬開幕週のメイン「第65回ラジオNIKKEI賞」(3日)の追い切りが29日、美浦、栗東トレセンで行われ、ダイワドレッサーが出色の走りを披露。初コンビの石川裕紀人(20)も念願のJRA重賞初制覇へ確信をつかんだ。

 梅雨雲を吹き飛ばすような明るい笑い声が美浦トレセンに響いた。「重い馬場なのに、やけに動いたな」。ダイワドレッサーの追い切りから引き揚げてきた石川に鹿戸師が声を掛ける。「凄い出来です。福島向きの器用さもあって、気が良くて、乗りやすくて…」。笑顔でセールスポイントを並べる石川に「ちょっと褒め過ぎだよ」と同師も笑い返した。

 減量騎手で唯一、全国リーディングベスト20に入っているヤングが絶賛した最終追い。皮膚に浮かぶ銭形模様でドレスアップした3歳牝馬が重馬場のWコースを加速していく。3馬身先行したエッケザックス、2馬身後方のラムレイ(いずれも4歳500万)の間に進路を取った直線。馬なりのまま覇気に満ちたストライドを伸ばした。左右の古馬2頭に一歩も譲らない手応えで併入。「先週の追い切りにも乗せてもらいましたが、仕上がりは万全です。オークスも差のないレースでしたから…」。石川は初コンビのパートナーにどこまでも前向きだ。

 オークスでは初の大外枠に戸惑い、発走直後に外へ逃げた。流れに乗れず4角ブービー17番手。それでも大外から8着まで差を詰めている。「本来は前々でもレースができる。小回りコースは問題ない。道悪も父ネオユニヴァース譲りのパワーがあるから克服可能でしょう」と鹿戸師。牝馬のラジオNIKKEI賞優勝はラジオたんぱ賞の名称で施行された92年シンコウラブリイを最後に途絶えている。「ラブリイの時代はレース番組がほとんどなかったが、いまは他にも番組があるのにここを選んだ。牡馬相手でも軽ハンデ(53キロ)なら引けを取らない」と同師は続けた。

 石川にとってはJRA重賞30回目の騎乗で初タイトルが懸かる一番。「十分チャンス!一発あります」。梅雨空の下にヤングの確信の笑顔が広がった。

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