【日本ダービー】リオン新時代の幕開け、1月生まれ史上初Vだ!

[ 2016年5月24日 05:30 ]

リオンディーズが皐月賞のリベンジを果たし1月生まれ初のダービー制覇を狙う

 リオンディーズがダービー新時代の幕を開ける!競馬の祭典「第83回日本ダービー」は29日、東京競馬場でゲートイン。昨年の2歳王者リオンディーズが1月生まれとして初のダービー制覇を狙う。早生まれで完成度の高さが武器。史上3人目のダービー連覇がかかるM・デムーロとのコンビ4戦目で集大成の走りを見せつける。

【日本ダービー】

 いざ歴史を変える戦いへ。リオンディーズが大一番に向けて順調な調整を重ねている。前走・皐月賞は直線で斜行して4位入線→5着降着となったが、ダメージは皆無。岸本助手は「一戦ごとに素軽くなっているし、気負いもない」と好感触を伝えた。

 昨年暮れの朝日杯FSを剛脚で差し切りV。史上最速タイとなるデビュー29日目でのG1勝利を飾った“レコードホース”に、ダービーでは新たな記録がかかる。競走馬の出産は3~5月が多く、それ以前に生まれると競馬界では「早生まれ」と呼んでいる。歴代ダービー馬で最も早生まれだったのは96年フサイチコンコルドの2月11日。1月29日生まれのリオンが勝てば新記録となる。

 早生まれは現在の競馬界のトレンドだ。種牡馬の種付けは1日2~3回。人気種牡馬は種付け期間が長くなる。リオンディーズの生産者であるノーザンファーム事務局の中尾義信氏は「以前は厳冬期に出産するとリスクが伴うため時期を後ろ倒しにする傾向があったが現在は設備も良くなっているので前倒しにする傾向にある」と早生まれが増えている背景を説明する。

 必然的にその多くは人気種牡馬を父に持つ良血馬。過去10年で1月生まれのダービー出走は6頭だけだが、今年は一挙に5頭が出走予定。中でも抜群の完成度を誇るのがリオンディーズだ。「こんなに力強い3歳馬には乗ったことがない」。M・デムーロも驚きの声を上げる。その3歳馬離れしたパワーは行きたがると名手でも抑えるのにてこずるほど。暴走気味に先行した皐月賞はその弱点を露呈した形だが、コンビ4戦目。しっかり修正してくるに違いない。1週前追い切りにまたがったデムーロは「リラックスしているし、いい動きだった」と落ち着きがあることに満足げだった。

 雪辱が似合う血統でもある。05年桜花賞で2着に敗れた母シーザリオはその後、日米オークス制覇の偉業を達成。半兄エピファネイアは13年皐月賞&ダービー2着を糧に菊花賞を制した。母、兄が描いた軌跡をたどるように敗戦をバネにしてクラシック制覇へ。岸本助手は「左回りは初めてだけど乗っている感じでは合いそう」と手応えを口にする。くしくもコンビを組むデムーロも1月生まれ(11日)。厳寒期に生まれた人馬の絆が、新緑の府中で実を結ぼうとしている。

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