【天皇賞・春】ゴールドアクター 77年間未勝利17番枠も信頼

[ 2016年4月29日 05:30 ]

悠然と馬場から出るゴールドアクター

 有馬記念優勝馬ゴールドアクターは、距離が3200メートルとなった1938年から77年間、1度も優勝がない不吉の17番枠。現在5連勝中で1番人気が濃厚!?だが、逆境データをはね返すことができるのか?

【天皇賞・春】

 上位人気が確実視されるゴールドアクターは17番枠。過去に延べ22頭が出走し、2着が1回(05年ビッグゴールド)しかない未勝利枠だ。枠順決定の知らせを受けた中川師は「内が良かったが…仕方がない」と表情を曇らせた。水曜の最終追い切り後に臨んだ共同会見でも「内枠なら考えることは何もない」と話していただけに、落胆の大きさは隠せなかった。

 馬群がバラけやすい長距離戦とはいえ、やはりラチ沿いをロスなく走れる内枠は有利。特にアクターのような先行脚質の馬は、外枠だとポジションを取るまでに余計な脚を使わされる。陣営が内枠を熱望したのは当然だが、決まったものは仕方ない。師はすぐ前を向いて続けた。「スタートが上手な馬だし、先入れの奇数枠は特に問題ない。最近は外枠の馬が重賞を勝っているからね」。皐月賞のディーマジェスティ、フローラSのチェッキーノと2週連続で8枠ピンク帽の関東馬が重賞を制しており、時には不利な外枠が奏功するケースもある。

 最終追い切り翌日となった木曜朝はゲートで駐立を再確認。ゴールデンウイークの渋滞を避けるため、木曜夜に美浦を出発して京都競馬場に移動し、レース前日にはスクーリングを行って万全を期す。「メンバーは強いが、有馬のようなこの馬の競馬ができれば。(吉田)隼人がずっと乗ってくれて、馬のことを一番分かっている。力を出し切ってくれる」。打つべき手は打った。指揮官の愛馬と鞍上への信頼は揺るぎない。

 吉田隼も「プレッシャーはかかるが、先輩方も経験してきたことで、自分も乗り越えたい。僕の手で連勝を止めたくない」と、グランプリホースの意地とプライドを懸けて臨む一戦。本当に強い馬に、枠順など関係ない。それを証明してみせる。

続きを表示

2016年4月29日のニュース