菜七子先輩に続け!15歳なでしこジョッキー候補生が競馬学校入学

[ 2016年4月6日 05:30 ]

ガッツポーズを見せる芳賀

 JRA競馬学校騎手課程第35期生の入学式が5日、千葉県白井市のJRA競馬学校で行われた。新入生は芳賀天南(かな=15)ら8人。女性としては今年デビューした藤田菜七子以来の入学となる芳賀は、抜群の運動神経を武器に3年後のデビューを目指す。

 いきなりの“大役”をしっかり務め上げた。入学式の記念品授与で新入生代表に選ばれた芳賀は、日本騎手クラブ副会長の蛯名から堂々とした態度で記念品を受け取った。蛯名が「個性を大切に3年間頑張ってください。待ってます」とエールを送ると笑みも。式後の会見では「不安もありますが、期待でいっぱいです」と目を輝かせた。

 馬に出合ったのは昨年3月の体験乗馬。その後、福島競馬場を訪れ「格好いいなと思った」と騎手を志した。新入生8人の中で唯一、本格的な乗馬経験がないが、小学2年から続けているバスケットボールに加え空手、水泳、陸上も得意なスポーツ万能少女。応募者116人の狭き門を突破した。

 福島県須賀川市出身。東日本大震災では自宅が半壊する被害に遭った。目標とする騎手に同じ福島出身の田辺を挙げるなど郷土愛が強い。「震災で心に傷を持っている方もいる。たくさんの人に応援してもらったので、今度は福島の方に勇気や夢を与えられるように頑張りたい」と言葉に力を込めた。

 これまで女性入学者は12人いたが、騎手デビューを果たしたのは7人。これからの学校生活は決して楽ではない。それでも今は藤田菜七子といういいお手本がいる。「同じ女性として意識します。注目されているのに笑顔で頑張っているのは凄いと思います」と熱視線を送る。3年後には同じ舞台で。「G1でたくさん勝って、男性にも負けないトップジョッキーになりたい」。大きな夢を胸に、なでしこジョッキー候補がスタートラインに立った。

 ◆芳賀 天南(はが・かな)2000年(平12)8月11日、福島県須賀川市出身の15歳。趣味、特技はバスケットボール。好きな芸能人は桝太一。座右の銘は「日々前進」。1メートル45・4、44・4キロ。

 ▼藤田菜七子 入学前研修で話をして、とにかく気の強い子という印象。同期には絶対負けたくないという気持ちが伝わってきた。空手をやっているのも関係あるんですかね。私はどうこう言える立場ではないけど、最後まで諦めずに頑張ってほしいです。

 ▼JRA競馬学校 82年3月設立。敷地総面積は26万3461平方メートル。騎手課程(3年制)と厩務員課程(6カ月制)がある。騎手課程第1期生は柴田善臣、石橋守(現調教師)、須貝尚介(同)ら。全寮制で騎手課程生徒は原則として外泊できない。実技、馬学などの他に茶道の授業もあり、2年目後半からはトレセンでの厩舎実習を行う。

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