【朝日杯FS】ショウナンライズ万全仕上げ!父メジャー激似追い

[ 2015年12月17日 05:30 ]

単走でスタートしたショウナンライズ(手前)は4馬身前を進む僚馬リュイールスターに追いつき自然と併せ馬の形に

 一子相伝の牡馬G1獲りだ――。2歳王者決定戦「第67回朝日杯FS」の追い切りが16日、美浦トレセンで行われた。2連勝中のショウナンライズが父ダイワメジャーの再来を思わせる圧巻のストライドを披露した。現役時代にG1・5勝を挙げた父は2歳リーディングサイヤー独走中。その特徴を色濃く受け継ぐ産駒が阪神JF(メジャーエンブレム)に続き2週連続でG1タイトルをつかむ。

【朝日杯FS】

 双眼鏡を向ける上原師の脳裏に時間が二重写しになったような既視感が湧いてくる。視線の先にはWコースで躍動するショウナンライズ。「父親(ダイワメジャー)にそっくりなんだ。フットワークも、競馬ぶりも、前向きな気性も…。体こそ小さいが、形はよく似ている。父親が現役時代の体重はたしか…」。今を時めく大種牡馬ダイワメジャーも管理したトレーナーは10年以上前の記憶の糸をたぐり寄せた。

 父が500キロを超す巨体なら、こちらは450キロの中型馬。まるで父を85%のサイズで再生したような姿だ。同じ栗色の被毛、胴が少し詰まり、岩のようにせり上がった前後肢、浮き上がって映る丈夫な前脚の腱。父譲りの馬体が気迫を前面に発散させながらWコースを突進していく。前肢を激しくかき込むパワーストライド。4馬身前を進んだリュイールスター(2歳未勝利)に手綱を押さえたままで追いついた。「単走のイメージで追い切ったが、ゴールで並んでいたね。レース間隔(中7週)をしっかり空けて万全に仕上がった」と語る上原師。「ここまでのレースぶりからも期待が持てる」と続けた。

 デビュー2戦(新馬2着、未勝利1着)の戦歴は12年前の父と同じ。3戦目の前走・くるみ賞では2番手からノーステッキで2馬身突き抜けた。上がりはメンバー最速の3F34秒2。500万条件とはいえ、勝ち時計は2週後の重賞・京王杯2歳Sを0秒5上回った。「一瞬の切れがない代わりに、先行して長くいい脚が使える。持ち味も父と同じ」。そんな上原師の見立てに、2戦目の手綱を取ったM・デムーロも同調する。「僕も走り方がそっくりだと思う。父親で皐月賞を勝たせてもらったけど、どちらもゲートが速く、素晴らしい先行力を持っている」

 ダイワメジャーを育てた上原厩舎に所属する産駒は09年2歳デビューの初年度から累計18頭。牡馬産駒では5世代目で待望のG1初挑戦となる。「先週(阪神JF=メジャーエンブレム)もダイワメジャーの子らしい勝ちっぷりだったし、今週はうちのが続ければ…」。父を最もよく知るトレーナーが既視感を覚える真の後継馬だ。

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2015年12月17日のニュース