【セントライト記念】ブラック完勝!サブちゃん、菊で「歌う」

[ 2015年9月22日 05:30 ]

<セントライト記念>レースを制したキタサンブラック(右)

 サブちゃん、秋こそ歌うぞ!菊花賞トライアル「第69回セントライト記念」が3日間開催最終日の21日に中山競馬場で行われた。歌手の北島三郎(78)が所有(名義は大野商事)するキタサンブラックが4角先頭で快勝。スプリングSに続く重賞2勝目を挙げた。2着ミュゼエイリアン、3着ジュンツバサまでが菊花賞(10月25日、京都)の優先出走権を獲得した。

 「サブちゃん、おめでとう」「次も頑張って」。くしくも敬老の日。演歌の大御所の元気な姿にウイナーズサークルを囲んだファンが沸いた。「ありがたいね。みんなが喜んでくれて最高です」。北島オーナーは愛馬キタサンブラックの隣で目尻を下げた。

 重賞初Vを挙げた中山で鮮やかな復活走。道中は逃げたミュゼエイリアンをマークする形で2番手。北村宏はグッと手綱を抑えて「我慢しろよ」と言い聞かせた。馬なりのまま4角でエイリアンに並びかけると、直線のゴーサインにもしっかり反応。追い比べを3/4馬身差で制した。鞍上は「あまりポジションにこだわらず流れに乗ろうと思った。行きたがったが4角でも十二分に手応えがあったし、最後までよく頑張ってくれた」とパートナーを称えた。

 デビュー3連勝でスプリングSを制した素質馬。皐月賞は3着と好走したが、ダービーは14着と完敗を喫した。それでもひと夏を越して成長。皐月賞からダービーで10キロ増えた馬体がこの日はさらに12キロ増の532キロだったが、清水久師は「ほぼ成長分と思ってくれていい。体調も毛ヅヤも良く、自信を持って送り出せた」と胸を張る。年明けデビュー馬でまだまだ伸びしろ十分。パドックでも熱視線を送った北島オーナーも「きょうが一番よく見えた。スターになる顔をしていたのが気に入って買ったんだけど、一段といい男に見えたね」と目を細めた。

 次走はもちろん菊花賞。母の父が短距離色の濃いサクラバクシンオーだが、師は「それがテンのスピードにつながっていると、いい方に考えたい」と前向き。北村宏も「自分のリズム、気持ちがかみ合って走れれば」と手応えを口にした。北島オーナーは「10月25日の予定?決まってるじゃないですか。次勝ったら歌いますよ」と宣言した。春にはかなわなかったウイナーズサークルでのコンサートが、秋の淀で実現するか。世代屈指の実力馬が再び注目の一頭に躍り出た。

 ◆キタサンブラック 父ブラックタイド 母シュガーハート(母の父サクラバクシンオー)牡3歳 栗東・清水久厩舎所属 馬主・大野商事 生産者・北海道日高町ヤナガワ牧場 戦績6戦4勝 総獲得賞金1億4741万8000円。

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