【北九州記念】ベルカント重賞連勝！夏の電撃王見えた

北九州記念で１着になったベルカント（左）、２着のビッグアーサー（中央）、３着のベルルミエール

　小倉で行われたサマースプリントシリーズ第４戦の「第５０回北九州記念」は２番人気のベルカントが快勝。アイビスＳＤに続く連勝でシリーズ首位に立った。

　アイビスＳＤで１年５カ月ぶりの復活Ｖを飾ったベルカントが一気に重賞連勝を決めた。ハンデ５５キロは牡馬に換算すると５７キロ。実質トップタイのハンデでも全く問題にしなかった。引き揚げてきた武豊にも笑みがこぼれる。

　「今はよほど状態がいいんでしょうね。スタートが凄く良くて、道中はいいポジションをとれた。右に右に逃げる悪い癖も出ていたけど、状態の良さでカバーしてくれました」

　スタート後は好位へ。直線入り口で外に出すと一気に仕掛ける。その合図に抜群の反応を見せると先頭に立ち、後続との差を広げていく。抜け出してからは内ラチの方に寄れていたが、右ステッキで矯正。余裕をもってゴールへと導いた。

　武豊はこれでＪＲＡ重賞２９９勝。３００の大台にあと１に迫り「すぐに達成できるよう頑張ります」と爽やかな笑顔を見せた。ただこの日の主役はパートナーとばかりに「短距離馬としての資質はかなり高い。これからも楽しみですよ」と力走を称えた。

　角田師も「４キロぐらい減るかなと思ったけど、プラス２キロだった」と充実ぶりに目を細める。まさに上昇一途。サマースプリントシリーズチャンピオンの座にも大きく近づいた。

　「もう（最終戦のセントウルＳは）使わないけどね。放牧先でも鍛えてもらえるようにして次はスプリンターズＳにいきます」

　角田師の視線は短距離界の王座を真っすぐに見据えていた。

　◆ベルカント　父サクラバクシンオー　母セレブラール（母の父ボストンハーバー）牝４歳　栗東・角田厩舎所属　馬主・前田幸治氏　生産者・北海道新ひだか町土居忠吉氏　戦績１４戦５勝　総獲得賞金１億８９５１万８０００円。