【まるがめ・レディースC】母だから寺田は強い!3度目の頂点へ

[ 2015年8月4日 05:30 ]

真剣な表情で整備に取り組む寺田

 プレミアムG1「第29回レディースチャンピオン」はきょう4日、香川県のボートレースまるがめで開幕。12年の若松大会に次ぐ、2度目のナイター開催で行われる。初日メーンの12R、1号艇に選出されたのが選考期間勝率トップの寺田千恵(46=岡山)。鵜飼菜穂子、横西奏恵(引退)、山川美由紀と並ぶ最多の3Vを目指す。最愛の家族に見守られ“最強の母”となれるのか。

 キャッチフレーズは“スマイルテラッチ”。レースを終えればサービス精神おう盛。笑顔が似合う寺田だが、デビュー間もないころは激情型だった。ベテラン選手との模擬レースでレベルの差を痛感させられ「悔しい!!レースさせてもらえない」と感情をあらわにした。練習を重ね、一流選手の風格と余裕を身につけた今は勝ち負け関係なしの神対応。「がむしゃらにやってきて(以前は)確かに気性も荒かった。今は誰かと接触しても(動きが)読めなかった自分のミスと考えるようになった。他人に腹を立てたら負け」。心境の変化を振り返った。

 成長の糧となったのが家族の存在だ。01年6月のグランドチャンピオンで女子レーサー初のSG優出。5着に敗れはしたが、1枠の権利を誰にも譲らなかった。その技術と精神力は女子レーサーの中にあっては別格の存在となったが、代償も大きかった。厳しい重圧。ボートに乗ることがつらくなっていった。

 「仕事の楽しさが分からなくなった時期があった。そんなころに産休を迎えた」。02年2月、立間充宏(40=岡山)と結婚、間もなく産休に入った。1年4カ月の休みを経て03年5月に復帰。寺田の心の中で何かが変わった。気持ちという名のコップに奥行きができた。「何もかもがリセットされて…。ダンナと娘(桐子さん)には本当に感謝している。おかげさまで楽しく走らせてもらっています」。スマイルテラッチの誕生だ。

 陸では笑顔、水面では冷静沈着。ゴールまで粘り強く敵を追い回す“さばき”が特長だ。「家に帰れば私の味方がいつでも待っていてくれる。仕事に行く時、娘は“ケガしちゃ嫌よ”って言って送ってくれる」。誰よりも五感を研ぎ澄まし、冷静に立ち回る。それは愛娘との約束を守るためだ。

 「(まるがめは)初めて1枠以外からインを取って優勝した場所。ここからコースを取るようになった」。まさに転機を迎えた場所。今回は自ら勝率を積み重ねてつかんだドリーム1号艇。リズムは最高だ。最多Vとなる3度目の女王を狙うには絶好のタイミング。平高、山川、平山の地元3強を蹴散らし初戦を白星で飾る。

続きを表示

この記事のフォト

2015年8月4日のニュース