【ヴィクトリアM】ディアデラマドレ 前走驚異31秒9、母譲りの剛脚

[ 2015年5月14日 05:30 ]

藤岡康を背に追い切るディアデラマドレ(左)

 春の最強牝馬決定戦「第10回ヴィクトリアマイル」の追い切りが13日に美浦、栗東両トレセンで行われた。母が成し得なかったG1制覇が懸かるディアデラマドレは、3頭併せで切れ切れの鋭さを披露。母娘悲願の戴冠へ絶好の仕上がりをアピールした。

 “音速のプリンセス”が大舞台へ万全の態勢を整えた。ディアデラマドレはCWコースで藤岡康を背に最終調整。3頭併せの最内に入り序盤は外エックスマーク(6歳オープン)、中レッドルーラー(5歳1000万)の2頭を前に見るように3馬身ほど離れて追走。3角入り口から鞍上が手綱を絞りスイッチを入れると、瞬時に加速して6F84秒4。ラストも馬なりのまま12秒0の好時計で、中のレッドルーラーを半馬身突き放し、最先着でゴール板を駆け抜けた。

 中2週の間隔を考慮して派手な時計は出さなかったが、反応の良さが際立つ動き。藤岡康は「テンションが上がり過ぎることなく、最後まで集中して走れていた。前走より反応も良く、一度使われて状態は上向いている」と好感触を口にした。

 マイル初挑戦だった前走のマイラーズCは、よもやの最後方からの競馬。「もともとスタートは悪くない馬だが、(他馬が暴れた)音に敏感に反応して遅れた」と鞍上が振り返ったように、発馬が合わず厳しい流れを強いられた。それでも後方から一線級の牡馬を相手に、上がり最速の末脚で追い上げ0秒4差7着。マークした「3F31秒9」が凄い。京都競馬場の芝レースで史上最速の上がり3Fタイムなのだ。

 “音速”の剛脚は母親譲り。マドレと同じ角居厩舎に所属していた母ディアデラノビアはキャリア25戦で上がり最速は9回。現在ほど時計の出る馬場ではなかったため32秒台こそ出なかったが、それでも33秒台が7回。当時は屈指の切れ味の持ち主だった。娘もキャリア14戦で、上がり最速は7回。33秒以上の時計も8回記録するなど、DNAはキッチリと継承されている。

 巻き返しへ鞍上も「初めてのマイル戦であれだけの脚を使える馬なので、直線の長い東京コースは合っている。良馬場に越したことはないが、重馬場も愛知杯(2走前1着)で走っている。スタートを五分に出てくれれば」と力を込める。

 重賞3勝の母は、第1回のこのレース3着を含めてG1舞台は3着3回とビッグタイトルへ一歩届かなかった。母が果たせなかったG1制覇の夢をかなえるべく、娘が府中の直線で躍動する。

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