【ヴィクトリアM】肉食女子ヌーヴォ万全!牡馬なぎ倒してきた男勝り

[ 2015年5月14日 05:30 ]

Wコースを単走でハードに追い切るヌーヴォレコルト

 オークス馬が思い出の地で再度魅せる!!春の最強牝馬を決する「第10回ヴィクトリアマイル」(17日、東京)の追い切りが13日、東西トレセンで行われた。美浦では昨年のオークス馬ヌーヴォレコルトが手加減なしの最終調整。ライバル・ハープスターとしのぎを削り、前走・中山記念ではロゴタイプ、イスラボニータの皐月賞馬2頭を撃破した女傑候補が万全の態勢を整えた。

【ヴィクトリアM】

 真の女王へ、攻めの姿勢を貫いた。ヌーヴォレコルトの最終追いは、美浦Wコース単走。スタンド前からコースに入場し、1~2角を流して向正面に入ると、手綱を動かすことなく軽快にピッチを上げていく。3~4角の動きもスピード感十分。「このまま直線も馬なりだろう」。双眼鏡をのぞく報道陣の思いをあざ笑うかのように、斎藤師は「追え」と指示を出していた。直線に向くと手綱を押し込み、ゴール板を過ぎるまでしっかりと負荷を掛けた。

 7日の1週前追いは岩田が騎乗して3頭併せ。直線もいっぱいに追われ、十分すぎるほど負荷を掛けただけに、直前は軽めがセオリー。だが、牡馬相手の肉弾戦にもひるまない根性娘に、そんな常識は通用しない。斎藤師は「単走だとフワフワする面があるので、気を抜かせない意味で追った」と意図を説明。「先週の追い切りでスイッチが入ったし、道中の行きっぷりにも、それが表れていた。非常にいい状態に仕上がった」と確信に満ちた表情だ。

 2週続けてのハード調教。繊細な牝馬には酷にも思えるが、指揮官は「この馬は女の子とは思っていない。男馬として考えている」と意に介さない。牡馬並みの強じんな肉体と精神が、強い相手ほど燃える戦意の原動力。ハロー(整地)直後の走りやすい馬場に殺到する集団が去り、馬場が荒れ始める時間帯をあえて選んで調教を積み重ねてきたことも、人馬の自信につながっている。

 現4歳牝馬の代表として、真っ先に名前が挙がるのはいつもハープスター。陣営が熱望していた再戦は、宿敵の電撃引退によりかなわぬものとなったが、宝塚記念で強豪牡馬に挑む新たな目標へ、どうしても落とせない一戦。「今回はマークされる立場だが、必ずプレッシャーをはねのけてくれる。彼女ならできる」。斎藤師は力強く愛馬への信頼を口にした。

 イタリア語で「新記録」という意味を持つヌーヴォレコルト。故障で道半ばで引退に追い込まれたライバルの無念も背負い、世代のリーダーとして新時代を切り開くのが、この馬に与えられた使命でもある。

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2015年5月14日のニュース