【NHKマイルC】アルマワイオリ 勝浦と人馬一体、折り合いクリア

[ 2015年5月7日 05:30 ]

CWコースの併せ馬で追い切るアルマワイオリ(左)

 3歳マイル王決定戦「第20回NHKマイルC」の追い切りが6日、美浦、栗東トレセンで行われた。栗東組では過去3勝の実績を誇る前哨戦NZT1、3着馬が好調教。その3着馬アルマワイオリは美浦から勝浦が駆けつけて手綱を取ったが、人馬一体の走りで課題の折り合いも難なくクリア。ラスト1Fも馬なりで12秒2をはじき出して万全の態勢をアピールした。

【NHKマイルC】

 アルマワイオリの最終追いはCWコースでエミネントレコード(4歳500万)を追いかける形でスタート。鞍上の勝浦がグッと手綱を押さえ込み、折り合いをつけた。直線で手綱を緩めると内から余裕たっぷりに併入に持ち込んだ。全体的には軽く気合をつけただけで、時計(6F85秒3)より人馬のリズムを重視したもの。だが、この手応えに鞍上から思わず笑みがこぼれた。

 「少しでも油断するとすぐに(手綱を)持っていかれる。乗り難しいわけではないですが、瞬発力が凄いので集中しました。ここ何戦かで一番うまくいきました。ホッとしています」

 前走・ニュージーランドT(3着)の敗因はハッキリしている。スタートで後手に回り、道中折り合いを欠いたため。舌がハミを越して鞍上の意思が伝わりにくい状態だった。それでも、直線は鋭く脚を使って3着。勝てるだけの能力があるだけに歯がゆかった。

 これに対し陣営は大一番を見据えて、舌を縛ることにした。西浦師がその効果を強調する。

 「調教で改善していきたいけど、今回はG1だし、そうも言っていられない。追い切りでうまく走れていたし、いい方に出ている」

 実戦で効果が出れば待望のG1制覇が見えてくる。ここまで朝日杯FS2着をはじめ重賞で上位争いを続けているが、タイトルはない。勝浦は強い意気込みを口にした。

 「勝たなければ2着も、3着もいらない気持ち。何が何でも勝ちたい。僕が乗せていただいた馬の中でも決め手は凄い。紛れの少ないコースだし、一瞬の隙を突いて抜け出せるスピードもある」

 追い切り後に勝浦が西浦師と交わした言葉はごくわずかだった。「どうだった?じゃあ頼んだよ、というくらい。必要以上の言葉はいらない感じ。本当にありがたい」。厩舎の信頼はひしひしと感じている。テレグノシスとコンビを組み、このレースでG1初勝利を飾ったのは13年前。パートナーの持ち味を引き出して久々の戴冠を狙う。

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