【ダービー卿CT】モーリス圧倒的な強さ!マイル路線に怪物現る

[ 2015年4月6日 05:30 ]

圧巻の勝ちっぷりを見せたモーリス(左)

 中山の「第47回ダービー卿CT」はモーリスが圧倒的な強さで3連勝、重賞初制覇を果たした。

 強い。他に形容する言葉が見つからないほど、モーリスの勝ちっぷりは圧巻だった。前走に続き立ち遅れ気味のスタートで、序盤は後方から2頭目の位置取り。それでも馬のポテンシャルを信じる戸崎に焦りはない。桜が咲き誇る3~4角で大外を回って進出し、先行馬群を射程圏に捉えた。直線に向き、内で叩き合う11頭の密集馬群と併走したのは残り200メートルまで。坂を登り切ったところでギアを上げると、次元の違う加速で一瞬のうちに突き放す。ライバル勢になすすべを与えない完勝だった。

 課題のゲートは相変わらずだったが、それを補って余りある破壊力。「厩舎スタッフが練習を重ねて、前走よりはゲートの中でおとなしかったが、それでもジャンプするように出た」と戸崎。「本当はもう少し前で競馬をしたかったが、無理せずあの位置から。終始手応えが良かったし、後は見てもらえた通り」と涼しい顔で振り返った。

 良発表とはいえ降り続く雨で上滑りする芝を全く問題にせず1分32秒2のレースレコード。3F33秒0の末脚は良馬場ならもっと切れる。これで3連勝。「勢いよく勝ってきてるし、G1でも十分通用する。この先が楽しみ」と、鞍上もあふれる手応えを口にする。

 主役不在のマイル路線に登場した新星。課題のゲートを克服したら、いったいどれほどのパフォーマンスを見せるのか。春の頂点を決する安田記念まで楽しみは尽きない。堀厩舎には豪州G1を制したリアルインパクトもいれば、皐月賞にはサトノクラウン、ドゥラメンテのV候補2頭がスタンバイしている。春のG1戦線に臨む豊富な手駒にあって、圧倒的な存在感を放つモーリス。決して優等生ではない、破天荒なレースぶりが、見る者の心を引きつける。

 ◆モーリス 父スクリーンヒーロー 母メジロフランシス(母の父カーネギー)牡4歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・吉田和美氏 生産者・北海道日高町戸川牧場 戦績10戦5勝 総獲得賞金1億553万2000円。

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2015年4月6日のニュース