【とこなめ・BRダービー】今村 SG最年長V記録更新へ集中

[ 2014年10月15日 05:30 ]

SG最年長V記録更新がかかる今村

 台風19号接近のため順延となった「第61回ボートレースダービー(全日本選手権)」は15日、愛知県常滑市のボートレースとこなめで開幕する。SG最古の歴史を誇る大会で最多となる3回の優勝を誇るのは“レジェンド”今村豊(53=山口)。己を磨き、弟子たちを指導する姿は故郷長州の名士、吉田松陰そのもの。90年以来24年ぶりの“日本一”へ。まずはドリーム戦5号艇から出陣する。

 当時最年少の22歳でSG(84年オールスター)を制してから丸30年。ミスターボートレース・今村豊は今なお輝きを放つ。山本昌、カズといった各界のレジェンド同様に、夢や希望を与える存在だ。「励みにしてもらえるのはうれしいが、一番は自分のために走っている」。53歳になっても瞳の奥はギラギラしている。

 今年はオールスター(福岡)、グランドチャンピオン(浜名湖)と立て続けに1号艇で優出。優勝こそ逃したが、獲得賞金ランキング10位で4年ぶりのグランプリ(賞金王決定戦)出場を射程に捉える。これに呼応するように、8月のメモリアル(若松)優勝戦ではSG初優勝を飾った愛弟子の白井英治(38=山口)をはじめ、1~3枠を長州の若き志士たちで独占した。

 「素晴らしいこと。SGでは今までになかったのではないか」と、その景色をしみじみと振り返る。日頃から若手選手の指導には時間を惜しまない。「育てていかなければいけない。何よりもサボってお金を稼ぐなということを伝えているつもり」。まさに松下村塾的な“今村学校”。ボートレース界の吉田松陰そのものだ。

 過去1年間の勝率上位者が出場するダービーは14年連続25回目。「賞金王はまぐれでも出られるがダービーは1年間ちゃんと活躍した選手しか出られない」と最重要視する。SG最古の歴史を持つ大会で最多の優勝3回、連覇(87、88年)を達成したのは今村豊だけだ。今年は4年ぶりとなるドリーム戦に名を連ねた。

 前検日の13日、足併せで劣勢と見るや早速プロペラを叩いた。優勝すれば安岐真人の持つ52歳7カ月のSG最年長優勝記録を更新する。周囲の期待は高まる一方だが「ことレースに関しては初日のドリーム戦しか見えていないよ」。“今村松陰”は維新に向け、集中力を高める。

 ◆今村 豊(いまむら・ゆたか)1961年(昭36)6月22日、山口県生まれの53歳。48期として81年5月、徳山でデビュー。同期は鵜飼菜穂子ら。82年、蒲郡一般戦で初優勝。84年、デビュー2年11カ月で浜名湖オールスター(笹川賞)を制し、SG最短優勝記録を樹立。通算6934戦2557勝、優勝127回。SG優勝7回、G1優勝45回。1メートル63、49キロ。血液型A。

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