【小倉2歳S】伏兵オーミアリスが大外強襲V 国分優6年目の歓喜

[ 2014年9月8日 05:30 ]

強烈な末脚で小倉2歳ステークスを制したオーミアリス(8)

 夏の小倉のフィナーレを飾る「第34回小倉2歳S」は、15番人気のオーミアリスが後方から豪快に追い込んで大波乱を演出。こちらは1~3着を牝馬が占めた。

【レース結果】

 大逆転が待っていた。逃げ粘るリッパーザウィン目掛けてゴール前は形勢一変。1番人気のレオパルディナが抜け出した時、大外から矢のごとく飛んできた伏兵がいた。15番人気のオーミアリスだ。上がり最速34秒3の強烈な末脚で差し込み大波乱を演出。どよめきが起きる中、国分優は「タメていこうと考えていました。伸びるとは思っていたし、うまいこと前がやりあって展開が向いた。それにしてもあそこまで…」と、こみ上げる興奮を抑えて振り返った。

 前半3F33秒0のハイペースを、後ろから3番手を追走してチャンスをうかがった。2週連続で追い切りにまたがり、馬の特長と調子の良さを感じていた。「素軽い動きをする馬。信じて乗っていました」と国分優は胸を張った。デビュー6年目にして待望の重賞初制覇。「まだまだ下手だし、重賞を勝てるなら2歳(重賞)くらいかなと思っていたので、本当に良かった」と照れ笑いを浮かべた。

 デビュー当初はなかなか勝ち星を挙げられなかった。騎乗機会を求めて11年春に美浦から栗東に拠点を移した。当時3キロの減量特典を生かして騎乗依頼が増えた。そのチャンスをつかんで勝利数が急増。一昨年2月にはカタールの国際見習い騎手招待競走に参戦。その頃から「トレーナーをつけたんです。自分の体についてしっかり考えるようになりました」と振り返る。

 双子の弟・恭介の存在も大きい。恭介は10年の府中牝馬S(テイエムオーロラ)で先に重賞を制している。「追いかける状態が続いていたし見習いたい部分もある。2人で切磋琢磨(せっさたくま)していかないと」と気を引き締めた。藤沢則師は「優作の感触も良くて、恥ずかしくない競馬はできると思っていたんだけど…」とジョッキーの手腕を称えた。

 オーミアリスの新馬戦は1着同着。ハナ差でも負けていれば、出られなかった重賞を制して軌道に乗った。今後は一度放牧に出して様子を見る。「(ジョッキーは)距離は延びても大丈夫って言ってくれました」と藤沢則師。これで除外の心配もなく、来年の桜花賞を目指すことができる。夏の小倉を締めくくった切れ者が、今後も世代を盛り上げていく。

 ◆オーミアリス 父ホワイトマズル 母ポットアカデミー(母の父ロイヤルアカデミー2)牝2歳 栗東・藤沢則厩舎所属 馬主・岩崎僖澄氏 生産者・北海道新冠郡新冠町松木加代 戦績2戦2勝 総獲得賞金3553万円。

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