【安田記念】府中巧者クラレント 自慢の先行力で橋口厩舎G1連勝へ

[ 2014年6月4日 05:30 ]

坂路で順調に調整するクラレント

 ダービー優勝で波に乗る橋口師が送るクラレントは、東京芝【3・1・3・3】のコース巧者。2週連続G1制覇も十分あり得る。

【安田記念】

 今週の栗東トレセンは20頭目の挑戦で、悲願のダービー制覇を果たした橋口師への祝福ムード一色。そんな中にあっても指揮官は勝負師の顔を忘れていない。

 今週はクラレントにこん身の仕上げを施し、2週連続G1獲りを狙う。父のダンスインザダークは橋口師が育て上げ96年のダービー2着、同菊花賞Vなど重賞3勝を挙げ、現在は種牡馬として活躍。産駒のツルマルボーイは04年安田記念を制覇、同馬も同師が手掛けた。クラレントはマイル路線を中心に息の長い末脚で重賞4勝を挙げ、その内3勝は東京コースと相性抜群だ。

 橋口師は「先行力があって自在に立ち回れるので、今の(内が伸びる)東京の馬場は合っている。昨年のマイルCS(11着)時と比べても馬体に張りが出て、たくましくなった。立ち居振る舞いも堂々としているよ」と好感触を口にする。

 脚質に幅が出てから持ち前の勝負根性が開花。自慢の先行力を武器に、近3走も重賞舞台ですべて馬券圏内。着差も勝ち馬から0秒2差以内と差のない競馬を演じている。また、4角5番手以内に付ければ【1・1・3・2】で複勝率71%と堅実駆け。今春の東京開催のG1・4戦は全て好位のインを通った馬が制すなど、絶好の馬場コンディションを考慮すれば好勝負は可能だ。前走も直線半ばで逃げ粘るコパノリチャードと接触する不利がありながらも、ゴール前は盛り返した。

 「1週前の稽古(坂路馬なり4F55秒1)もしっかりと動いていた。休養明けを使ってから状態はさらに上向いている。展開も前で引っ張る馬(ミッキーアイル)がいるので競馬はしやすいと思う」

 先週の府中は名伯楽の歓喜に沸いた。今週も同じノースヒルズの生産馬&師が手掛けた愛馬の産駒で、G1連勝を狙う。「また新しいドラマが生まれるかもよ」。幾多の名馬を輩出した名伯楽の快進撃が止まらない。

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2014年6月4日のニュース