【日本ダービー】リヴェール・福永 昨年の無念、牝馬の偉業で晴らす

[ 2014年5月28日 05:30 ]

ウオッカ以来の牝馬Vに挑むレッドリヴェール

 「第81回日本ダービー」で初Vを狙う騎手の思いは同じだ。昨年エピファネイアで2着惜敗の福永祐一(37)は紅一点レッドリヴェールとのコンビで15回目の挑戦。調教に騎乗して好感触を得ており、大きな期待を胸に悲願成就に挑む。

【日本ダービー】

 ダービー獲りに最も近づいたのが1年前。福永祐一はエピファネイアに騎乗したが、勝ち馬キズナに半馬身差及ばなかった。「今まで乗せてもらった中で、一番手応えを感じていた。自分自身に期するものがあったんだけどね」。14度目の挑戦で、勝利を最も意識しながら届かなかった。想像を絶する悔しさ。それでも「あの敗戦を取り戻すことはできないけど、今の自分が今後いい結果を出すことで意味が出てくれば」と前を向いている。心境に変化も出てきた。

 昨年、2度目の全国リーディングを獲得。だが、今年はなかなかリズムに乗れず、2月末には開催6日間の騎乗停止処分を受けている。「もっとやれるんじゃないかっていう気持ちが気負いにつながった」と自身を追い込み過ぎたと分析。休んだことで、今の状況を見つめ直すことができた。「五体満足で競馬ができている。(3月に長女が誕生して)守る家族もできた。復帰してからの方が成績もいいでしょ」と続けた。

 今年はレッドリヴェールとのコンビ。初騎乗になるが、先々週と先週の追い切りにまたがって能力を感じている。レースでの印象からも「ハープスターと五分の競馬をしている。いい身のこなしをしているしね。ウオッカやジェンティルドンナというクラスの牝馬と比較はできないけど、そういう馬になってほしい。楽しみの方が大きい」と期待十分。有力馬で挑める感謝と喜びであふれている。

 「ダービーを勝つことはステータスとしては一番高いものだと思う。当然勝ちたいし、そういうものを意識し過ぎたときもあった。でも馬には関係ないから」。必要以上に力が入り過ぎず、いい意味で自然体。もちろんパートナーにとっては一生に一度のチャンスだと分かっている。ただ自分がやるべきことは力を最大限に引き出すこと。その一点に福永は集中している。

 ◆福永 祐一(ふくなが・ゆういち)1976年(昭51)12月9日生まれ、滋賀県出身の37歳。父は福永洋一元騎手。JRA通算13343戦1629勝、G1・18勝(27日現在)。11、13年にJRA全国リーディングを獲得。昨年に元フジテレビの松尾翠アナウンサーと結婚。今年3月に長女が誕生。

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