【天皇賞・春】フェノーが最強!!史上3頭目の連覇達成

[ 2014年5月5日 05:30 ]

<天皇賞・春>フェノーメノ(左)を連覇に導き鞍上で雄たけびを挙げる蛯名

 4強対決は昨年の覇者に軍配。「第149回天皇賞・春」が4日、京都競馬場で行われ、4番人気フェノーメノがメジロマックイーン、テイエムオペラオーに次ぐ史上3頭目の連覇を達成。騎乗した蛯名正義(45)は皐月賞(イスラボニータ)に続く春G1連勝となった。3番人気ウインバリアシオンはG1・4度目の2着でまたも涙。1番人気のキズナは追い込み届かず4着。2番人気ゴールドシップは出遅れが響き7着に敗れた。

【レース結果】

 歓喜のゴールから丸1年。G1初制覇を飾った淀の3200メートルでフェノーメノがよみがえった。中団追走から徐々にポジションを上げ、直線残り200メートルを切って先頭に。追いすがるウインバリアシオンを首差振り切った。「直線が本当に長く感じた。でも、何とかしのいでくれると思って追った。厩舎、牧場のみんなが頑張って、ここまで戻してくれたから…。結果を出せて本当に良かった」。蛯名は充実の表情で直線の攻防を振り返った。

 思い描いた通りのレースだった。冷や汗をかいたのはスタート直前だけ。「隣のゴールドシップがゲート内で騒ぎだして、それに反応してしまった」。大きく出遅れたシップに対し、フェノーは無難にスタート。「最初の(3角の)坂の下りで少しハミをかんだが、スタンド前では落ち着いた。そこからは馬の邪魔をしないように乗った。追い出したタイミングではキズナもゴールドシップも見えていなかったが感じるままにゴーサインを出した。他馬のことは気にせず、この馬のレースに徹する。それが今回のテーマだった」。能力を信じ抜いた鞍上。最高の相棒は男気に応え、意のままに動いた。

 戸田師は満面の笑みで愛馬を出迎え、蛯名とがっちり握手をかわした。「フェノーメノの本当の走りを見てもらえてうれしい」。下馬評では4強と称されたが、単勝オッズは11・5倍と離れた4番人気。前年優勝馬にとって屈辱とも言える低評価も「僕の中では自信があったから(2番人気の)昨年より余裕を持ってレースを見ていられた」

 昨秋の全休の理由を左前けいじん帯炎と発表していたが「実は炎症は軽いもので内臓や肉体の疲労が抜け切らず休養が長引いてしまった。今思えば、じん帯炎は体調不良のサインだったかもしれない」と明かした指揮官。「秋に1走もできなかった悔しさを胸にスタッフが頑張ってきた」と労をねぎらった。休養明け初戦となった前走・日経賞は5着。「休みが長い分、調教をハードにやりすぎた」と振り返る。今回は攻めを控え、前走で減っていた馬体重をきっちり10キロ戻した。「前走で裏目に出た調教も無意味ではなかった。秋に無理をしなかったことも、ここにつながった」

 今後の目標を問われた戸田師は「天皇賞(秋)、ジャパンC、有馬記念にフル参戦したい。昨年の悔しさもあるので」と力を込めた。昨年は宝塚記念に参戦(4着)したが「梅雨時の馬場は相性が良くないし、昨年は宝塚の疲労も休養の原因になった。オーナーと相談だが、できれば休ませて秋に備えたい」と今年は消極的だ。史上3頭目の連覇。馬名はポルトガル語で「怪物」。馬名そのままに、ひたすら王道を突き進む。

 ◇フェノーメノ 父ステイゴールド 母ディラローシェ(母の父デインヒル)牡5歳 美浦・戸田厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道平取町追分ファーム 戦績14戦7勝 総獲得賞金6億2910万8000円。

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