【皐月賞】トゥザワールド 5連勝戴冠目指しハープの川田が導く!

[ 2014年4月15日 05:30 ]

5連勝戴冠を目指すトゥザワールド

 今週は牡馬クラシック第1弾「第74回皐月賞」。ステップレースを異なる馬が制して今年は混戦模様。その中で注目は弥生賞を早めの仕掛けで制したトゥザワールド。初めての長距離輸送に加え、トリッキーな中山コースをきっちりクリア。鞍上の川田も先週の桜花賞をハープスターで制するなど勢いは十分、5連勝での戴冠へ視界は良好だ。

【皐月賞】

 トライアルの弥生賞を制したトゥザワールドは4連勝で1冠目に挑む。馬場・展開を問わず自分の世界観で淡々とレースを運ぶ姿は、まさに優等生。弥生賞は「強い相手に普通の競馬をして、どれだけやれるか見たかった」とコンビを組む川田がテーマを持って臨んだ。器用な脚を要求されるトリッキーな中山舞台で、機動力を証明した点は大きく内容は着差以上の強さだった。全休日の月曜朝、担当する中澤助手は「完歩が小さいので仕掛けた時にスッと反応できる。器用にこなせる走り方で、競馬を重ねるごとにしっかり学習している」と自信を見せた。

 母トゥザヴィクトリーは01年エリザベス女王杯を鼻差で制するなど抜群の底力を誇った名牝。全兄のトゥザグローリーは大跳びで迫力あるフットワークだが、器用さも備え、2年連続有馬記念3着など小回りの中山を苦にしなかった。血統に裏付けされた素質の高さとレースセンスは同世代で異彩を放つ存在だ。

 1週前の稽古も順調そのもの。CWコース3頭併せで最後方から追走。直線で内に進路を変え、中クラージュドール(4歳1000万)、外サトノフラクタル(3歳500万)に並びかける間もなくあっさりと首差先着して7F99秒0と上々の時計。「やれば時計は出るタイプなので、オーバーワークは避けた」と中澤助手は意図を明かす。

 前哨戦では初めての長距離輸送に加え、中山コースをクリアするなど、課題はもう見つからない。池江師は「弥生賞は自分から動かざるをえなかったが、G1ならもっと流れてくれると思う」とレースのしやすさを強調。鞍上の川田は先週の桜花賞を単勝1・2倍と圧倒的な支持を集めたハープスターでV。プレッシャーのかかる大舞台で冷静沈着な騎乗が光った。トゥザとは新馬戦からコンビを組み、その強さを最も把握している。

 「気持ちの切り替えがうまく本当に頭のいい馬。デビューから乗せてもらい、クラシックに向けてのプロセスを学ばせてもらっている。あとは本番で結果を出すこと」と川田も牡牝クラシック連覇に向けても力が入る一戦。

 馬名は「世界に向かって」。その名の通り皐月の舞台からさらなる未来へ突き進む。

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2014年4月15日のニュース