【きさらぎ賞】バンドワゴン ド迫力ダンプの走り!重馬場で12秒8

[ 2014年2月6日 05:30 ]

大きな馬体はワゴンというよりダンプカー!!前を行く他厩舎の併せ馬に、追いつき追い越すバンドワゴン

 クラシック戦線を占う「きさらぎ賞」の追い切りが5日、栗東トレセンで行われた。2戦無敗のバンドワゴンは坂路で前が詰まるシーンがありながら、冷静に空くのを待つ気持ちの余裕を見せ、精神面の急成長ぶりを披露した。

【きさらぎ賞】

 確かな成長が見て取れた。単走で坂路へと入ったバンドワゴン。最初の1Fこそ14秒0だったが、12秒8、12秒2と一気にギアが上がった。その時だ。前を行く他厩舎の馬が進路を遮った。しかし、慌てず騒がず。スペースが空くまでの約100メートルを何事もないように我慢し、ラストは冷静にサッと抜けた。

 これに喜んだのが鞍上の荻野助手だ。「過去2戦は調教でムキになるところがあった。きょうは前に馬を置いても大丈夫だった。しっかり待つことができたからね。少しずつ成長しているのだと思う」。気持ちに余裕が出て、我を通すだけでなく“引く”ことができるようになった。競走馬にとって、これは大きい。過去2戦、逃げて連勝したが、気持ちのコントロールが利くならば、先手を主張した馬が現れた時に2番手で控えることができる。戦法の選択肢が格段に増える。

 動きそのものも優秀。4F51秒8~1F12秒8を雪で重くなった馬場でマークした。「先週より少し早めにエンジンを吹かす感じでやった。まだまだお釣りはあった」(同助手)。中間はコースにも入れ、さまざまなパターンを想定しながら調教している。そのことが心身ともに好影響をもたらしている。

 2戦2勝。初戦は、その後に3勝を挙げ、クラシック候補と目されるトゥザワールドに6馬身の差をつけて圧勝した。石坂師の期待も大きい。「上手に競馬をして…というタイプじゃない。ナデ斬りという感じ。超良血をまとめて撃破できるのは、こういうタイプかも」。追い切りでは学習能力の高さを披露したが、持ち味は雄大な馬体から繰り出すド迫力のフットワーク。「ワゴン」というより、イメージ的には高排気量のダンプカー。類いまれなスピードとスタミナで無傷の3連勝へと突っ走る。

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2014年2月6日のニュース