【菊花賞】福永おめでた初V!エピファで悲願牡馬クラシック制覇

[ 2013年10月21日 06:00 ]

1着でゴールし、エピファネイア騎乗の福永は小さくガッツポーズする

 福永、牡馬クラシック獲ったど~。「第74回菊花賞」が20日、京都競馬場で行われた。単勝1・6倍の断然人気エピファネイアが課題の折り合いをクリアして5馬身差の完勝。皐月賞、ダービー2着の悔しさを晴らし最後のクラシック1冠を手にした。05年に日米でオークスを制したシーザリオとの母子G1制覇を飾った。20日付スポニチ本紙で夫人が妊娠5カ月であることを報じられた福永祐一騎手(36)にとっては、牡馬クラシック初勝利と合わせて“おめでたい”一日となった。

【レース結果】

 難所が続く淀の3000メートルで福永がエピファネイアを完璧に乗りこなして検量室に戻ってきた。その表情には今まで見せたことのないような充実感が漂う。馬上で「やっとやわ、やっと」と安どのセリフ。皐月賞、ダービーともに2着と悔しい思いを重ねた末に初めてつかんだG1のタイトル。角居師から「よく我慢したね」とねぎらいの言葉をかけられると、ホッとした笑みを浮かべ、握手を交わした。

 抜群のスタートから3番手へ。1周目の坂の下り、やや行きたがるそぶりを見せたが、これは福永の想定内だ。スタンド前から向正面へ。ゆったりと自分の完歩で走れたことで、エピファネイアは落ち着きを取り戻す。これで福永の自信は確信へと変わった。直線に向いて先頭に立ち、あとは独走。ムチを一切使わずに5馬身差の圧勝だ。

 「下り坂2回、簡単にはいかないと思っていたけど、描いていたイメージの中で一番いい勝ち方ができました。馬も春と走り方が変わって、抑えやすくなっていた」

 春のクラシックを獲れなかったことで脳裏には降板もちらついただけに、再びの騎乗依頼を意気に感じた。「凄いパワー」のパートナーを抑えるため、前腕(手首から肘の部分)の筋肉を徹底的に強化。「今では上腕と同じぐらいの太さがある」と自らのパワーアップを口にする。その成果を秋の大目標の一戦で生かしてみせた。

 「負けたことは取り返せないけど、自分が変わらないと負けた意味がない。未来は自分の力で変えられるから」

 “牝馬の福永”“短距離の福永”という声もあったが、それらを全て振り払う自身初の牡馬クラシック制覇。

 「これから牝馬だけじゃなく、牡馬でももっと勝ちたい。きょうの勝利は人馬ともに凄く自信になったし、古馬や同世代のライバルを負かして、これから大きなタイトルを獲っていきたい」

 次走はジャパンカップ(11月24日、東京)が有力視される。己に打ち勝ち、大輪を咲かせたエピファネイアと福永にとっては、古馬の壁も決して高くはないはずだ。

続きを表示

この記事のフォト

2013年10月21日のニュース