【凱旋門賞】キズナV仕上げ!豊の「闘魂注入」に満点加速

[ 2013年10月3日 06:00 ]

武豊の左ステッキに好反応を示すキズナ

 いよいよあと3日と迫った凱旋門賞。最終追いではキズナも武豊騎手(44)を背に抜群の動きを披露した。「闘魂を注入した」と同騎手は納得の表情を浮かべ、佐々木晶三師(57)は「グッド!!」と思わず声を上げた。

 報道陣シャットアウトの追い切り。だが、VTRからでも圧倒的な迫力が確認できた。武豊を背にしたキズナはエーグル調教場・芝直線コースに登場。ステラウインド(牡4=尾関)を3馬身追走した。名手の左ステッキが1発。「闘魂注入やね」。激励に応えるように日本が誇るダービー馬は脚を伸ばした。あっという間に3馬身置き去り。ニエル賞1着時のさらに上をいく、抜群の動きだった。

 佐々木師の方針は単純明快。「テッペン(頂上)を獲る馬は耐えてこそ」。武豊も納得の表情で語った。「ハードにとの指示。リラックスして凄く良かった。ムチも入れてしっかり走らせた」。中間、山田助手が何度も強調した。「環境に順応している。こちらの調教場は後肢に負担がかかるが、腰の疲れはもう出なくなった」。その言葉を裏付けるようにパンと張り出したトモ(後肢)。キズナは完全にフランス仕様の馬になった。

 記者会見で「出走メンバーは世界最強だが、こちらも日本ダービー馬。どんなレースになるか、いろいろ考え、彼の良さを引き出したい」と語った武豊。いつものジョークは封印し、気合に満ちた表情で地元メディアの質問に対応した。「凱旋門賞は過去に5回、悔しい思いをしてきた。大きな目標だ。今回は大チャンス。ディープインパクト(06年3位入線後失格)の時は残念な結果だったが、いつか産駒で挑戦したいと思っていた。ここまで来たら、あとは挑むだけ。悔いのないようベストを尽くす。勝つレースをしたい」

 最後にこんな質問が飛んだ。「キズナの最大のライバルは?」。武豊は一呼吸置いて答えた。「オルフェーヴル」。同じ日本馬だが、ロンシャンの大舞台では目前に立ちはだかる大きな壁。突破してみせる。名手の眼光が鋭さを増した。

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2013年10月3日のニュース