【ラジオNIKKEI賞】ガイヤースヴェルト 内田が重賞初V導く!

[ 2013年6月27日 06:00 ]

インに潜り込んだ内田騎乗のガイヤースヴェルト(左)。切れ味抜群の伸びを見せた

 福島開幕週を飾る3歳ハンデ重賞「ラジオNIKKEI賞」(30日)の追い切りが26日、美浦、栗東トレセンで行われた。宝塚記念を制した内田博幸(42)が新コンビを組むガイヤースヴェルトはWコースで上々の動き。頼もしき鞍上とともにトップハンデ56キロを克服する構えだ。

【ラジオNIKKEI賞】

 より一層、スケールを増した内田が美浦に凱旋した。「おめでとう!」の声に笑顔で応えながら、2週間ぶりの美浦の風を気持ち良さそうに吸い込んだ。そして、ゴールドシップを復活Vへと導いた宝塚記念を振り返った。「やる気になれば強い馬。気持ちが乗っていると本当に走る」。栗東で2週間、馬に付きっきりとなった。序盤から押す思い切った競馬を展開した。その末に3馬身半差の圧勝を決めた。

 長い騎手人生でも最重要と思えた一戦を勝ち切り、内田の馬を見るまなざしが優しくなったように見えた。馬は手を掛ければ掛けただけ応えてくれる。ゴールドシップで、そのことを再確認したようだった。人馬の絆、信頼。初コンビとなる3歳ガイヤースヴェルトにも、競馬の肝を教え込んだ。

 調教騎乗も初めて。舞台はWコースだ。フラアンジェリコ(5歳1600万)を6馬身追走。まだだぞ。キャリア4戦と浅い3歳馬に我慢を覚えさせる。直線はインへ。さあ行け。内田が手綱を押すと、ガイヤースが俊敏に反応した。力強いフットワークを繰り出して併入。6F82秒3、1F12秒7でまとめた。「これだけ動けば十分。闘争心があって自分から並んでいった」。内田は満足そうな表顔を浮かべた。

 まだ1勝馬。ただ、敗れた相手はダービー馬キズナを筆頭に強豪ばかりだ。前走NHKマイルC(5着)も積極的に運び、見せ場をつくった。「持ち味のスピードを生かしたい。開幕週の福島も合う」。斎藤師も後押しした。

 「走ることが嫌だと思わせないように走らせたい」。人馬一体となってグランプリを制した内田だから言える言葉だ。「うまく特長を引き出す騎乗をしたいね。G1を勝った勢いもあるから」。これまで以上に存在感を増した内田。オーラすら漂わせる今の雰囲気なら、重賞連勝もたやすいことのように思えた。

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2013年6月27日のニュース