【安田記念】ダークシャドウ堀師 異なる馬で同一G1・V3だ!

[ 2013年5月29日 06:00 ]

ダークシャドウが初のマイル戦で悲願のG1制覇を狙う

 記録ずくめのタイトル獲りだ。「第63回安田記念」(6月2日、東京)にダークシャドウを送り出す堀厩舎は11年リアルインパクト、12年ストロングリターンで2連勝中。全て異なる馬での同一G1・3連覇がなれば史上初の快挙となる。ダークシャドウは古馬中距離G1戦線を歩んできた古豪。芝1600メートル以下の距離初経験での優勝も初のケースとなる。

【安田記念】

 新たな偉業へ手応えは膨らんでいる。ダークシャドウは坂路からWコースに移ると、柔らかなフットワークを伸ばしてキャンター。調教を終えた橋本助手が確信に満ちた表情で報道陣の輪の中に加わった。

 「評価はさほど高くないみたいですけど、手応えはあります。厩舎の安田記念V3が懸かっている?力はここでも全く見劣りしません」。出走予定表に目を走らせると、いつになく強い口調で切り出した。

 同一G1・3連覇は最近でも藤沢和厩舎が02~04年の天皇賞・秋、有馬記念(いずれもシンボリクリスエス2勝、ゼンノロブロイ1勝)で飾っているが、全て異なる馬での3連覇は前例がない。異なる馬での同一重賞3連覇も60~62年の毎日杯(諏訪佐市厩舎)を最後に半世紀、途絶えている。

 だが、同助手はこう続けた。「ダークシャドウはここまで戦ってきた相手が違います。最も適性がある東京コースならマイル戦にも対応できますから」。昨年秋には天皇賞、JC、有馬記念で“3強”と差のない競馬を続けてきた。東京コースは今出走馬の中で最多の5勝。マイル以下の距離は未経験とはいえ、一昨年は1800メートルのエプソムC、毎日王冠を連勝した実績もある。「あの2戦では楽に追走できていました。(距離が1F短縮される)マイルの流れに戸惑ったり、馬群に置かれることもないはず」と同助手。「もともと後ろからドカンという馬。これまで中距離で切れ負けしていましたが、距離を詰めればさらに…」。マイル戦ならエプソムC、毎日王冠の瞬発力をさらに発揮できると見ている。

 東京のマイル戦はスピードとともにスタミナも要求されるコース。04年のツルマルボーイも中長距離からの転戦でタイトルをつかんだ。前年秋に天皇賞、JC、有馬記念で善戦し、休養明けの大阪杯(6着、ダーク5着)から臨むローテーションも同じ。「馬体も徐々に絞れていますし、あとはあす(29日)長めから追い切れば大丈夫」と万全の仕上げで偉業に挑む。

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