【弥生賞】エピファ 代打ビュイックと人馬一体、皐月へ極上感触

[ 2013年2月28日 06:00 ]

エピファネイア(手前)は併せ馬で上々の末脚

 皐月賞トライアル(3着まで優先出走権)、弥生賞の追い切りが27日、美浦、栗東トレセンで行われた。3戦無敗のエピファネイアは主戦の福永祐一(36)を騎乗停止で欠く一戦。代打のウィリアム・ビュイック(24=英国)が初めて騎乗し、最高の感触をつかんだ。

【弥生賞】

 レースだけでなく、調教にも乗り続け、競走馬の何たるかを教え込んできた福永が騎乗停止。エピファネイアの追い切りのテーマは、ただ一つ。代打のビュイックが、どうコンタクトを取るか、どれだけの癖をつかめるかだった。

 CWコースで3頭併せ。6馬身差の最後方から追いかけた。序盤、極端にゆっくりと入って折り合いを試した。見た目は人馬一体、完璧に折り合っている。直線は内へ。ゴールでは真ん中のオールザットジャズ(5歳オープン)に首差遅れたが、これは問題なし。四肢を軽快に繰り出し、上々の瞬発力を披露した。6F85秒5。ラスト1Fは11秒8を刻み、瞬時に噴き上がる優秀な決め手を見せつけた。

 さあ、ビュイックの感触はどうか。序盤については「ハッスルして、少し行きたがっていた。ただ、それは能力の高さ、豊かなスピードの証明。許容範囲内」と明かした。何の問題もなく折り合ったように見えたのは、実はビュイックの手腕によるところも大きかった。勝負どころまでの運び方は、既につかんだと言える。

 全体の手応えは「レースと調教は違うと馬自身がよく分かっている。賢い。福永騎手からは、引っ掛からないようになっているし、馬の後ろに付ければ折り合うと聞いた。今回がクラシックに向けて大事なレースということは僕も知っている」と、まとめた。ビュイックの表情からは、安心してレースに乗れる。任せろ。そんな気持ちがうかがえた。2カ月間の短期免許で既に14勝。最終週に大仕事が待っていたが、この様子なら心配なさそうだ。

 角居師は「反応を確かめてもらった。ガンとトップスピードに入りそうな雰囲気を感じ取ってくれたようだ。騎手は代わるが、彼も欧州の名手だからね」。いざ、4戦無敗で皐月賞へ。シーザリオの息子がきっちりと勝ち切ってみせる。

 ◆ウィリアム・ビュイック 1988年7月22日生まれの24歳。ノルウェー出身でデンマーク国籍。父は北欧で活躍した騎手、母は馬術の選手という競馬一家。06年に英国で見習騎手としてデビュー。09年にカナダでG1初勝利を挙げると、10、11年と続けてG1・5勝。昨年はG1・8勝で英国獲得賞金1位。今年1月5日からJRA短期免許を取得。14勝(28日現在)を挙げ、クイーンC(ウキヨノカゼ)でJRA重賞初V。

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