【フェブラリーS】ブラックヒルは速く強く美しく 重い坂路52秒9

[ 2013年2月14日 06:00 ]

坂路で軽々と52秒9を叩き出したカレンブラックヒル

 カレンブラックヒルは、やっぱり凄い。水をたっぷり吸った坂路で4F52秒9を楽に刻んでみせた。

 パワーを要する馬場にもバランスを崩すことなく、併走相手のハーデス(3歳未勝利)を早々と置き去りに。ラストまでパワフルなフォームのまま、真っすぐに駆け上がった。余力十分に12秒6。前肢のかき込み、後肢の蹴り。フットワークの美しさは、どの馬よりも際立っていた。

 動きを確認した平田師から自然に笑みがこぼれた。「オーバーワークを避けたくて(CWコースでなく)坂路でやったが、重い馬場を感じさせないスピードだった。出来に関しては十分。いい感じに仕上がった」

 「初ダート、どうなんですか?」。繰り返される同じ質問にも、嫌な顔ひとつ見せない秋山には余裕すら漂っていた。「初めてのダートに、この相手関係。未知の部分は多いが、1600メートル戦における、この馬の能力(4戦全勝)があれば、必ずやってくれると思う」

 鈴木隆司オーナー、平田師、そして秋山。関係者の誰もが、このフェブラリーS挑戦に胸を躍らせる。間違いなく、不安より楽しみの方が大きい。指揮官は「芝で実績のある馬が、なぜダートに、と思われるだろうが、この馬の能力は相当なもの。チャレンジだよ」。無傷の3連勝で臨んだNHKマイルCを制覇。続く古馬相手の毎日王冠を5連勝で制した天才児。難なく歴史を塗り替えそうな予感がする。

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2013年2月14日のニュース