【天皇賞・秋】3歳馬に蛯名、歴史は繰り返す?

[ 2012年10月26日 06:00 ]

 【G1ドキュメント=25日】経費節減の折、競馬記者も例外ではない。以前なら大阪本社から2人は行けた天皇賞の東京出張も今回は若手の坂田のみだ。浮かれた顔を見て菱田はゲキを飛ばす意味で「アホの坂田(愛情を込めてこう呼ぶ)、出張変わったろか」と、言ったが馬の耳に念仏とばかりに無視されてしまった。

 そんな菱田は16年前の秋の天皇賞の出張時を思い浮かべていた。勝ったのはバブルガムフェロー。3歳馬だった。鞍上の蛯名はこれが初のG1勝利。新聞記者は現場にいてこそ、と強調できるのは余談の話まで記憶している点だ。この時、藤沢和師は東京競馬場ではなくカナダのウッドバイン競馬場にいた。管理馬のタイキブリザードがBCクラシックに挑戦したためで、天皇賞の勝利コメントは国際電話でJRAの広報部が記者席にリリースしたことを覚えている。

 3歳馬に秋の天皇賞出走が認められたのは87年。96年のバブルガムフェローが最初の3歳馬の勝利だった。岡部幸雄氏の代打でG1初勝利を飾った蛯名は今や押しも押されもせぬ座に君臨。くしくも今年の相棒が3歳馬ときた。

 ダービー2着馬フェノーメノはクラシック3冠目の菊花賞には見向きもせずホコ先を天皇賞へ向けた。蛯名は「面白い」と不敵に言い放った。そう、歴史は繰り返す。

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2012年10月26日のニュース