【菊花賞】藤原英師2頭出し アクレイム&エタンで一発ある

[ 2012年10月17日 06:00 ]

藤原英厩舎のロードアクレイム(左)とエタンダール。スタミナ自慢の2頭が一発を狙う

 ディープインパクト産駒が8頭もそろった、3冠最終戦「第73回菊花賞」(21日、京都)。中でも藤原英昭厩舎はディープ産駒2頭出しでラスト1冠獲りを狙う。神戸新聞杯2着のロードアクレイム、セントライト記念4着のエタンダールとも血統的にスタミナ勝負は歓迎。驚異的な連対率を誇る同厩舎の2頭出しとあれば、一発の予感は十分だ。先週の秋華賞でヴィルシーナが7センチ差2着に泣いた友道康夫厩舎はスカイディグニティがスタンバイ。今週こその強い思いで挑む。

【菊花賞】

 今年の菊はディープインパクト産駒が8頭もいるが、母の実績ではロードアクレイムが最上位。母レディパステルは01年のオークス馬。スタミナの裏付け十分だ。春はダービー出走を逃したが、5月の遅生まれ。藤原英師は「もともと能力はあったが、春は成長を待ちながらという部分があった」と振り返る。

 春に無理をしなかったことで期待通りに成長。休み明けの神戸新聞杯で2着と好走した。ゴールドシップの強さが際立ったが、同馬も後方からしぶとく食らいついた。師は「もう半年欲しいが、力を付けてきたし上積みもある。距離もこなすし乗りやすい。向いているんじゃないかな」と舞台適性を感じ取っている。

 一方のエタンダールは青葉賞2着でダービー(8着)へと駒を進めたが、師は「春は成長途上。青葉賞の時点でダービーよりも菊を意識していた」と言う。「距離も持つし、これもいいと思う」と、ロードと変わらぬ期待を寄せる。

 藤原英厩舎は連対率の高さで知られ、今年の連対率31・2%は東西全厩舎でトップ。長期間、厩舎に馬を置いても成長に合わせて無理使いをせず、乗馬技術に優れたスタッフをそろえて休み明けでもしっかり仕上げる。テーマは「1戦必勝」。菊花賞に送り込む2頭もそうだ。「最後の1冠。ゴールドシップとディープブリランテを何とか倒せるよう、勝負を懸けていく」。指揮官は2強相手に力強く宣戦布告。いい手応えはつかんでいる。

 藤原英厩舎の多頭出しで思い出すのが09年秋華賞。ブロードストリート、ジェルミナル、ワイドサファイアの3頭を送り込み、ブエナビスタの降着(3着)があったとはいえ、ブロードがレッドディザイアの2着に食い込んで2強の一角を崩した。今年も一角崩しは十分?いや、陣営はまとめて面倒をみるシーンを思い描いている。

 ≪高連対率厩舎の腕比べ≫調教師の連対率3割超えは至難の業。昨年は3人(堀、藤原英、池江)が大台を突破したが、09、10年はゼロ。藤原英厩舎は07年に35・3%、08年にも31・7%をマークした。有力馬が集まるトップ騎手でも今年の連対率が3割を超えているのは勝利数上位20人では横山典(31・4%)だけ。今年の菊花賞には堀厩舎以外の上位4厩舎が出走馬を送り込んでおり、腕比べに注目だ。

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2012年10月17日のニュース