【札幌記念】イマージン豪快V!太宰「やっと…」

[ 2012年8月20日 06:00 ]

<札幌記念>レースを制し、フミノイマージンの鞍上でガッツポーズする太宰騎手

 「第48回札幌記念」が19日、札幌競馬場で行われた。4番人気の6歳牝馬フミノイマージンが後方から豪快に追い込んで優勝。昨年の福島牝馬S、マーメイドS、愛知杯に続く重賞4勝目、牡馬混合戦では初のタイトルを獲得した。騎乗した太宰は3戦ぶりのコンビ復活でパートナーを見事にエスコート。秋のG1獲りに大きく視界が広がった。

 フミノイマージンの背中で太宰は並々ならぬ決意を胸に秘めていた。

 「スムーズな走りさえできれば強いんだ」

 スタートは普通に出たが控えて後方待機。牡馬の強豪に3角から外を回って追い上げる強気の戦法で挑んだ。直線入り口で7番手まで進出し、早め先頭から粘り込みを狙った1番人気ダークシャドウを外から一気にかわして先頭ゴール。「自分から動いて強い馬をねじ伏せられた。やっと強さを出せた」。検量室に戻った太宰は、ホッとした表情で汗をぬぐった。

 イマージンの重賞3勝で全て手綱を取ってきた太宰だが、今年に入ってから東京新聞杯(4着)、阪神牝馬S(3着)と直線で前が詰まって惜敗するレースが続き、最近2戦は他の騎手に乗り代わっていた。「悔しさもあったし、申し訳なさもあった。もう一度声を掛けてもらったので、何としても結果を出さなければと思った」。不完全燃焼の競馬を避けるにはどうするべきか。その答えが、大胆な追い込み戦法だった。

 本田師のバックアップも大きかった。札幌競馬場での騎乗経験が全くなかった太宰に、札幌記念の前に行われる2レースで騎乗馬を用意。「同じ芝2000メートルを経験させてもらえた」と太宰が語る9Rでは、レインフォールで見事な差し切り勝ち。そのVTRを見ているかのようなレース運びで札幌記念も制した。

 最高の形で期待に応えた“愛弟子”を本田師は「前が壁にならなければ爆発すると思っていた。大胆に乗ればいいんだ。そうすれば結果も出るし、負けても悔いは残らない」と称賛。さらに「もともと、ウチの主戦だから。結果さえ出せば周りから何も言われない」とコンビ続行も示唆した。

 牡馬の一線級を横綱相撲で破ったことで、秋のさらなる飛躍へ期待は大きく膨らむ。本田師が「自分はテイエムオーシャンで勝てなかったから」と騎手時代の雪辱を狙うのは、今秋の最大目標であるエリザベス女王杯(11月11日、京都)。ステップに予定している府中牝馬S(10月13日、東京)まで、新女王候補はしばしの充電に入る。

 ◆フミノイマージン 父マンハッタンカフェ 母シンコウイマージン(母の父ディキシーランドバンド) 牝6歳 栗東・本田厩舎所属 馬主・谷二氏 生産者・北海道日高町シンコーファーム 戦績26戦8勝 総獲得賞金2億8128万3000円。

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2012年8月20日のニュース